最終更新日: 2020.07.1

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の 最新治療 結果が2017年12月に発表された 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)
「難病中の難病」といわれています。

病態を改善する治療薬はありません。
進行を遅らせる治療薬もありません
(詳細後述)。


Lancet 377 942-955 (2011)

炎症を抑える
飲み薬MN-166(ケタス)という薬がありました。
約25年に渡り
約320万人の人が服用してきた薬なので
安全性は確認済みです。

これが
新たなALSの治療薬になるかもしれません。

メディシノバ株式会社は
現在フェース2の臨床試験の結果を
近々発表予定です。

メディシノバ株式会社の会社の理念が素晴らしい!
(後述)

では
もう少し詳しく見ていきましょう。









ALSの症状

ALSでは
舌がぴくぴく、
物や水(唾液)が飲みこみにくい
ろれつが回りにくい。
口をあけにくい
舌の萎縮などの症状が現れます。

最終的にはほぼすべての
筋肉が動かせなくなり、
呼吸不全で亡くなります。
日本にもある特定の場所では
ALSの発症がとても多く、
原因究明が望まれています。
紀伊ALS



上の画像では
重力に対して筋肉が持ち上げれず
棘上筋や棘下筋が萎縮しています。

split-hand syndrome母指外転筋(APB)と
第1背側骨間筋(FDI)が強く痩せているのに,
小指外転筋(ADM)が保たれている状態を示しています。



ALSの現在の治療法

現在、
ALSの治療薬としては
リルゾール とラジカットが承認されています。
ただ、
効果は十分とはいえません。

リルゾール:延命効果が2-3ヶ月
ラジカット:発症後2年以内の患者において
機能障害進行抑制効果

メディシノバ株式会社はMN-166(ケタス)を、
再発寛解型多発性硬化症を適応とする治療薬候補として、
杏林製薬(キョーリン製薬、<4569>から
ライセンス導入しました。
進行型多発性硬化症及び
ALSについての知的所有権を取得しました。



希少疾患を対象とする製薬会社メディシノバ

メディシノバ株式会社、Medicinova

メディシノバの
岩城裕一社長は
心臓血管外科医出身です。

会社理念がすばらしい。
ホームページから引用。

十分な治療がまだ確立していない疾病を患う
世界中の患者さんに、
よりよい治療を提供することにより社会に貢献すること。

2017年10月、12月、
2018年春と、
ドンドンドンと
臨床試験の結果を発表する予定です
しました。



抗炎症薬イブジラストの効果

MN-166 (イブジラスト Ibudilast )
の効果はどうして表れるのでしょうか?

ホームページから引用。

自己防御機構が働くと、腫れる、痛む、発熱する、赤くなるなどの炎症が起きます。MN-166はこの炎症を抑制することや神経を保護することにより、多発性硬化症による神経の絶縁体の破壊を抑えることを狙った飲み薬として開発されています。この薬はケタスというブランド名で杏林製薬(株)により長年炎症を抑える飲み薬として販売されてきましたが、日本の医師が多発性硬化症の患者さんに投与したところ、多発性硬化症の治療薬として有望であることが判明しました。
現在、より多くの患者さんに投与して安全性と有効性をみるフェーズ2臨床治験が完了しました。ケタスは25年に渡り約320万人の人が長期に服用し、安全性が証明されています。東欧で実施したフェーズ2臨床治験においても有効性において良好な結果が得られており、安心して服用できる治療薬として期待しています。

つまり
MN-166は炎症反応を抑えるのです。

多発性硬化症もALSも
慢性炎症が起こっています。

慢性炎症が
ALSの発症原因として考えられています。

健常人と比較して
ALSの人の血液中にはLPSが約2倍量もあります。
LPSとは強力な炎症誘導因子です。
慢性炎症とALSの関係はこちら。

認知症を引き起こす疾患
アルツハイマー病、
パーキンソン病、
レビー小体型認知症でも
慢性炎症が起こっています。

慢性炎症が神経変性の共通した
病態なのかもしれません。

慢性炎症がアルツハイマー病の発症原因!

慢性炎症がパーキンソン病の病態を悪化させる

ALSの新薬が一つでも多く
出ることを祈っています。



ALSに対する遺伝子治療薬

ALSに対する遺伝子治療をリンクしました。2018年7月18日
ALSの治療には
薬だけじゃない。
遺伝子治療という選択肢と課題



MSに対するイブジラストの効果

2017年10月29日追記
イブジラストにより
MSの脳萎縮が半減することが
治験結果よりわかりました。
詳細は
「複視や手足のしびれといったMS症状が50%にまで軽減される可能性」

慢性炎症を抑えると
ALSはじめ神経難病に効果があるという
証拠の一つです。



ALSの2017年 研究の進歩


2017年10月26日追記

MN-166 (イブジラスト Ibudilast)を用いた
多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)と
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治験の結果は
以下の学会で発表されると思います。ました。

MSに関しては
2017年10月26日
MSParis2017 第7回Joint ECTRIMS-ACTRIMS Meeting.

ALSに関しては
おそらく
2017年12月
第28回国際ALS/MNDシンポジウムです。
2017年10月26日時点では
抄録やスケジュールはまだ
公表されていません。



2017年11月28日追記
スケジュールが発表されました。
2017年12月8日です。午後のセッションです。

詳細は
ALSの症状は緩和されるのか?リルゾールとケタスと併用療法。



2017年12月8日
ALSに対してリルゾールとケタスと併用療法は有効
しかも安全。
第28回国際ALS/MNDシンポジウムの詳細は
今日ボストンで発表されますが、
メディシノパから
結果報告が出ました。



ALS 2018年 研究の進歩

2018年現在ALSの研究は加速しています。
2019年に向けての課題や現状などを
札幌と東京で話が聞けます。
興味ある方はリンク先からどうぞ。



ALS 2019年 研究の進歩



ALS 2020年 研究の進歩

2020年6月
ケタス、イブジラストの最新情報



今日の記事はここまで。



「あなたから認知症予防を」をスローガンに
「研究」と同時に
このブログでコツコツと活動をしています。

仲間や同士が集まり、
未知のことが
いろいろ分かってくると思います。

そして
「将来、神経難病は治る病気」になると
感じました。

一歩ずつですが
みんなで情報を共有しながら
進んでいきましょう。

みそしる一押しお願いします。

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