脳内オートファジーとは ?

オートファジーとは
細胞内のごみ処理システムです。

思い出してください。
今朝、
家のゴミは出しましたか?

うちでは月曜日と木曜日が
燃えるごみの日です。

家から出るごみを定期的に
回収してくれるから
スムーズに仕事にも出かけることができます。

日常生活をスムーズに行うことができます。

では
ゴミ回収が不定期になると
どうでしょう?

もしくは
まったく来なくなると
どうでしょう?

めっちゃ困る

細胞内のオートファジーも
常に働いています。
常に不要となったタンパク質や
古くなった細胞小器官などを
溶かして再利用しています。



ノーベル賞の受賞理由

2016年オートファジーの研究を
先導してきた大隅良典先生が
単独でノーベル医学生理学賞を
受賞しました。

オートファジーが
ノーベル賞を受賞した理由は
大きく2つあります。

一つ目に
学術的な基礎を作り
多方面の研究者に
影響を与えていること。

2つ目に
様々な病気の原因と
深く関連しているということです。

オートファジーを利用した
病気の治療法が開発され、
多くのヒトを救うことができれば
二度目の受賞の可能性もあります。



アルツハイマー病や
パーキンソン病、
レビー小体型認知症
など神経変性疾患では
オートファジーが
おかしくなっています。

機能していないのです。



オートファジーの特徴

オートファジーは
意識して
活性化することができます。

食事を摂らないと
「お腹がグーッとなる」
その時こそ
オートファジーが
活性化しているときなのです。

肝臓、筋肉、腎臓など多臓器で
オートファジーが
活性化しているのを見ることができます。

ただここで一つ
問題があります。

脳では、このとき
オートファジーが活性化しないのです。

脳は
他の臓器と比較して
多くの栄養を必要とします。

それだけ
重要な臓器だということです。

そこで
身体は優先的に
脳には栄養を回すように
協調して働きます。

その結果、
他の臓器では
栄養が不足している状況下でも
脳だけは
常に栄養がいきわたっているのです。

そのため、
脳内のオートファジーは
空腹時でも
活性化しません。



オートファジーをダメにする原因

常に働いているオートファジーを
機能不良にするのは簡単です。

ヒドロキシノネナールは
神経細胞内のオートファジーを阻害します。

ヒドロキシノネナールとは
古い酸化した油です。
とくに、
使いまわしのサラダ油や
長期間放置されている
揚げ物などに含まれます。

ヒドロキシノネナールを摂取すると
油と親和性の強い
脳の神経細胞は影響をうけはじめます。

特に
神経細胞内の
オートファジーシステムが機能不良を起こし
(分解工場であるリソソーム内の
酸性度が上がる)
不要物を分解できなくなるのです。

その結果、

神経細胞内では
徐々に異常な蓄積物質が増え、
神経細胞を弱らせていくと考えられます。

参考文献
J Neurochem. 2017 Jan 17. doi: 10.1111/jnc.13957.

Early Involvement of Lysosome Dysfunction in the Degeneration of Cerebral Cortical Neurons Caused by the Lipid Peroxidation Product 4-Hydroxynonenal..

アルツハイマー病や
レビー小体型認知症など
多くの神経変性疾患では
異常な蓄積物質が
神経細胞にたまっています。

酸化した油、
とくにヒドロキシノネナールの
摂取量をひくくおさえることが大切です。



脳内オートファジーを健全に保つ3つの方法

オメガ3系の新鮮な油

使いまわした油ではなく、
新鮮な油。
しかも
青魚やエゴマ油、亜麻仁油をお勧めします。
サバの水煮の缶づめには
多くのオメガ3系油が入っています。

また
エゴマ油、亜麻仁油も
オメガ3系油を多く含んでいます。

特に
国産にこだわる方には
エゴマ油をお勧めします。

亜麻仁油は国産が少ないために
どうしても高価です。



天然糖トレハロース

天然糖質から
脳内オートファジーを誘導する方法があります。

現在は
まだネズミをつかった実験ですが、
脳内オートファジーが活性化します。

さらに
空間認知記憶が良くなります。
どうして
トレハロースにより
脳内オートファジーが活性化するのかは
現在のところ謎です。

わたしの研究している
メインテーマの一つです。



適度な運動

「適度な」というところが
ポイントです。

こちらも現在研究中なのですが、
ストレス状況下では
ぎゃくに
オートファジーが抑制されます。

気持ちのよい程度の
運動を常に心がけましょう。

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