「遺伝子組み換え食品承認大国」
アメリカと日本です。
いつのまに日本はこんな国に
なってしまったのでしょうか?
遺伝子組み換え食品(GMO)は
平成13年から表示義務があり
食品には
必ず「遺伝子組み換え」と表示されます。
Genetically Modified Orgasnisms
「遺伝的に」「変えた」「作物」の略で
GMOです。
日本の多くの人は
「遺伝子組み換え反対!」と言っている
一方で
日本国政府は世界で一番
遺伝子組み換え食品を承認しています。
ISAAA(国際アグリ事業団)によるデータを
グラフにしました。
(印鑰 智哉さんのブログでは
2018年1月2日で
309件となっています。)
対象をより広く
とらえられているのでしょう。
ISAAAとは
遺伝子組換え作物 などの
農業バイオテクノロジーを
共有する非営利の国際組織です。
2020年3月現在
世界19か国に拠点があります。
日本は北海道大学の
冨田房男さんが代表としてのっています。
いずれにせよ
日本が
アメリカと並び
「遺伝子組み換え食品承認大国」で
あることは確かです。
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遺伝子組み換え食品の現状
GMOの作物は
以前は
大豆
とうもろこし
じゃがいも
ばれいしょ(じゃがいも)、
なたね、
綿実、アルファルファ、てんさい
8種類でしたが、
現在は
リンゴやオレンジなど
柑橘系も含まれてきました。
これまでは
除草剤に耐性を示す食物、
害虫に耐性を示す食物、
ウィルスに耐性を示す食物等が
遺伝子組み換えで作られていました。
しかし
最近では
栄養価の高い食物、
乾燥に強い食物
塩に耐性を示す食物が
新たに加わり始めています。
つまり
あらたな機能をもった
食物がどんどんと作られています。
さらに
ややこしいことに
最近、
「遺伝子組み換え食品」に加えて
「ゲノム編集食品」というのが出てきました。
2019年の夏ごろから
つまり
昨年あたりから
市場にでてきています。
「ゲノム編集食品」には
2020年3月現在
表示義務はありません。
「遺伝子組み換え食品」と
「ゲノム編集食品」は
何が違うのでしょうか?
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ゲノム編集食品と遺伝子組み換え食品の違いは?
遺伝子組み換え技術は
細菌やウィルスまたは
その遺伝子、酵素などを使って
遺伝子を改変する技術です。
一方、
ゲノム編集は
人工酵素を使い
狙ったゲノム上の配列だけを
切り取ったり
置き換えたりする技術です。
つまり
遺伝子を改変するという意味では
どちらも同じです。
違いは
作り方です。
もっと簡単に言うと
「遺伝子組み換え食物」は
余計な遺伝子を「足す」
一方、
「ゲノム編集食物」は
もともとある遺伝子を
「引く」もしくは「変える」
ということです。
クリスパーキャス9という
ゲノム編集技術が
2012年に開発されて以来
目的とする遺伝子変異を
1000倍以上効率よく起こすことが
できるようになりました。
わたしの場合には
研究で「病気モデル動物」を
つくるために
遺伝子を改変します。
実際に
約10年前、
約900個の受精卵から
遺伝子を取り出して
目的の遺伝子変異が起こっていたのは
たった2つでした。
確率は0.22%
これでも良いほうでした。
それが
いまでは
クリスパーキャス9を使うと
ほぼ確実に
目的の遺伝子を改変することができます。
この技術が食物に応用され、
「ゲノム編集食品・食物」と呼ばれます。
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ゲノム編集食品と突然変異は違う!
私としては
遺伝子組み換え食品同様に
「ゲノム編集食品」も表示してほしいです。
理由は2つあります。
1つ目の理由は
ゲノム編集食品は
突然変異で生まれた食品とは
やはり違うからです。
ゲノム編集技術を使ったときには
必ず「目印となる遺伝子」を
入れ込みます。
最終的に食品から
その目印遺伝子が
除去されているのかどうか
がわからないからです。
確かに
ゲノム編集技術で起こる変異は
自然界で起こる変異と
同じ場合もあります。
例えば
近畿大学が作った
「筋肉ムキムキのまだい」は
自然界でもひょっとしたら
起こりえるかもしれません。
なぜなら
筋肉の大きさを
調節している遺伝子
1つだけに
変異が入っているからです。
ただし
上述したように
「ゲノム編集まだい」には
人工的な目印となる遺伝子が
残っている可能性があります。
ゲノム編集の過程では
目的とする遺伝子が
確実に変化したかどうかを
見分けるために
印となる遺伝子を入れ込むからです。
この印となる遺伝子が
最終的に
取り除かれているか
どうかはわかりません。
ゲノム編集食品を表示してほしい
2つ目の理由としては、
ゲノム編集技術で作り出した場合
他の遺伝子の変異も
起こしている可能性があります。
ゲノム編集をした技術者本人さえ
全く予期しない変化
が起こっている可能性もあるのです。
以上の理由から
ゲノム編集食品にも
表示をしてほしい。
消費者として
選択できるようにしてほしいです。
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ゲノム編集食品の見分け方は?
約40万人が加盟する
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
(東京都新宿区)は
24日、総会で「ゲノム編集食品を取り扱わない」と決議した。
同連合会は「安全性や環境への影響などにも懸念があり、
管理が届く原材料しか使用しない対応をする」と話している。
ゲノム編集食品には、
外部から遺伝子を導入する手法と、
狙った遺伝子を壊して
変異を起こす手法がある。
後者について、
国は「自然界でも起こりうる変化」
「従来の品種改良と区別できない」などとして、
安全性審査の対象外とした。
表示義務も課さない見通しとなっている。
開発者には届け出を求めるが、
義務ではない。
2019年6月25日
朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタルの記事では
生活クラブが
ゲノム編集食品を扱わないと
決議しましたが、
どのようにしてゲノム編集食品と
判別するのでしょうか?
現在のところ
ゲノム編集食品については
表示義務はありません。
ゲノム編集食品の情報を
厚生労働省に届けるだけです。
そのため
扱わないといっても
会社か
厚生労働省に
問い合わせをしない限り
ゲノム編集食品かどうかは
わかりません。
これでは
消費者は
食物を選択できません。
表示を義務化することも含めて
厚生労働省は再度
検討を始めているそうです。
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赤ちゃんがゲノム編集食品を食べても大丈夫?
結論から言うと
残念ながら
「誰にもわかりません。」
長期的にみると
なにかしらの影響が
起こるかもしれないですが、
あくまでも
起こる「かもしれない」レベルです。
遺伝子組み換え食品も
ゲノム編集食品も
人類史上
はじめての
食べ物です。
みんな
「実験の対象」に
されているようなものです。
ゲノム編集の技術の進歩は早く
予期しない変異を起こす確率は
徐々に低くなっています。
次々と
技術が改良されて
特異的な変化だけを起こす
ゲノム編集技術が登場しています。
また
目印となる遺伝子も
最終段階で除去することもできます。
このまま
進歩が続けば
ゲノム編集食品と
自然からうまれた突然変異食品は
遺伝子的にも
区別できなくなります。
見た目はもちろん
遺伝子的にも
自然の食品と
区別がつかなくなります。
良い・悪いではなく、
選択する自由をくれー!
と言いたいです。
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みそしるが出ていれば
一押しお願いします。