長寿になっても
健康な人の腸内では
2種類の菌が多いことがわかっています。
ビフィズス菌と酪酸菌です。
一方、
神経変性やアレルギーの患者さんでは
腸内環境の多様性が低くなっています。
腸内細菌学会の発表のなかで
関節リウマチの糞便の解析結果がありました。
プロピオン酸と酪酸の濃度が
低くなっていました。
これらは
短鎖脂肪酸と呼ばれる分子です。
短鎖脂肪酸とは
炭素数が6以下のものをいいます。
酢酸とはいわゆるお酢です。
プロピオン酸とは
ブルーチーズの酸っぱさや香りです。
酪酸とはバターの香りの元です。
では
短鎖脂肪酸を与えてあげれば
関節リウマチの症状が軽減するのではないか?
どうでしょうか?
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短鎖脂肪酸のリウマチへの効果は?
ネズミで関節リウマチのモデルを作り
短鎖脂肪酸を与えたところ
予想通り
病態が改善することがわかりました。
しかし
すべての短鎖脂肪酸が
効果的だったわけではありません。
今回
試した短鎖脂肪酸は3種類でした。
エサに
酢酸
プロピオン酸
酪酸これらのいずれかを添加しました。
すると
酪酸を含むエサを食べたマウス群では
関節炎が軽減されていました。
また
組織的に見ても
酪酸を含むエサを食べていた群では
浸潤しているリンパ球に
違いが認められました。
特に
濾胞性制御性T細胞へと分化が
促進していることがわかりました。
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酪酸は過剰な炎症を抑える
私は
腸の免疫は詳しくないので
ざっくりと
濾胞性制御性T細胞は
「炎症を抑える細胞」と認識しています。
つまり
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸のうち
特に酪酸が
身体の過剰な免疫を抑制していることがわかりました。
関節リウマチの患者さんでは
酪酸濃度が低くなっていることから
酪酸を含む食物を摂取すれば
症状が軽減する可能性があります。
幸い
私たちの大腸で酪酸を作ることができます。
もちろん
腸内細菌と協調してです。
酪酸のもととなる食物を摂取すれば
症状の軽減が期待できます。
具体的には「食物繊維」です。
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食物繊維をたくさん摂って慢性炎症を抑えよう
神経難病もアレルギーと同様に
炎症が起こっています。
慢性炎症です。
今回は
関節リウマチでしたが
神経難病でも
通用すると思います。
腸内細菌に多様性を持たせるために
シンバイオティクスが有効です。
シンバイオティクスとは
菌自体を摂取する
(プロバイオティクス)と
同時に
菌のエサ
(プレバイオティクス)も摂取することです。
シンバイオティクスって言葉を
知らなかったのですが、
腸内細菌学会に行って
勉強しました。
(^_^)
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まとめとして
簡単に言うと
菌と菌のエサをせっせと食べると
腸内環境に多様性が生まれます。
すると
過剰な炎症を抑えることができますよ。
ということです。
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