パーキンソン病や
レヴィー小体型認知症
または
多系統萎縮症では
共通した分子が脳神経に溜まってきます。
現在は
これが原因で
脳神経が障害され
症状が出ると考えられています。
この原因物質とは
シヌクレインです。
シヌクレインにも大きく2種類あります。
「単体」と「重合」したタイプです。
こちらが重合したオリゴマーです。
2019年5月に
重合したシヌクレインの広がりを抑える
候補分子が同定されました。
重合ってなに?
わるいの?
広がりを抑えると症状はよくなるの?
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シヌクレイン分子とは?
シヌクレインは
もともと神経同士の連絡をするために
必要な分子(タンパク質)です。
それが
なぜだかわからないのですが、
これらの病気では
シヌクレインタンパク質の性質が変わってしまい
神経細胞やグリア細胞に溜まってくるのです。
この様子が
亡くなった患者さんの脳内では
特徴的に見られることから
シヌクレイン異常凝集があれば
「パーキンソン病」
「レビー小体型認知症」
「多系統萎縮症」の
いずれかの病理診断となります。
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2つのシヌクレインの型
治療を考えるうえで
これらの異常に溜まってくる
シヌクレインを除去できれば良いということで
世界中で研究が進められています。
アルツハイマー病と同じ考え方で
シヌクレインの
ワクチン療法などが試されています。
シヌクレインは
第4染色体上にコードされた
誰でも持っているタンパク質です。
通常は
シヌクレイン単体として発現します。
シヌクレインの異常凝集する前の段階では
とげのような重合が起こり、
「オリゴマー」と呼ばれています。
シヌクレインオリゴマーが
徐々に脳内を広がっていくために、
症状が発症し、
重症化すると考えられています。
今月
シヌクレインオリゴマーが入る
細胞内の入り口の分子が
同定されました。
コネキシンといいます。
正確には
コネキシン43です。
(以降、コネキシンと略します)
コネキシンをなくすと
シヌクレインオリゴマーは
細胞内に入りにくいことがわかりました。
ドイツとスウェーデンのグループの共同研究です
Binding of α-synuclein oligomers
to Cx32 facilitates protein uptake
and transfer in neurons and oligodendrocytes.
Acta Neuropathol. 10.1007/s00401-019-02007-x
別の雑誌の編集者が
面白い論文として
取り上げていました。
Science Translational Medicine
Vol. 11, Issue 492, eaax4874
DOI: 10.1126/scitranslmed
.aax4874
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コネキシンを抑えるとパーキンソン病は治るの?
今回の論文では
パーキンソン病で亡くなった
患者さんでは
コネキシンの量が有意に
減少していることがわかりました。
パーキンソン病の培養細胞モデルや
動物モデルでは
コネキシンの量が増えていました。
患者さんではなぜだか
コネキシンの量が減少しているのです。
この点に関して
論文では
細胞が防御的に働くために
コネキシンの量を減らしたのではないか
と推測しています。
その考えもあり得ます。
別の可能性として、
研究に用いた剖検材料は
すでに亡くなった患者さんのものなので
時間的に末期です。
病気の初期には
コネキシンの発現が上がっていたかもしれません。
そして
亡くなる頃には
すでにコネキシンの量は
減少していたことも考えられます。
この辺は推測になります。
いずれにせよ
シヌクレインオリゴマーの広がりを抑えるために
コネキシンをターゲットにした
治療薬なども進んでいくかもしれません。
今回の研究では
主に
培養細胞と動物を使って
研究を進めているために
症状や治療への効果は
今後確かめる必要があるということで
むすんでいます。
コネキシン量を減らせば
症状が良くなるかどうかは
やってみないとワカラナイ
ということです。
私は
そもそも
コネキシンだけを
抑えても
シヌクレインの広がりを抑えるには
限界があると思います。
むしろ
シヌクレインの広がりが
原因なのか?
もっと真の原因があるのではないか?
と考えています。
が
真の原因がわからないうちは
脳の代謝をあげて
全部異常なものを排出していくのが
良いと思っています。
そのために
脳内オートファジーを活性化する
手法を探しています。
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