最終更新日: 2021.06.14

糖質と運動を組み合わせると脳では予期しないことが起こっていた.

大学院生が頑張ってくれた論文が
アメリカのNIHの論文収録サイト
(通称パブメド)に今日のりました。

トレハロースと運動を組み合わせ
脳への影響を見た論文です。

Biochem Biophys Res Commun.
2019 May 8.
pii: S0006-291X(19)30885-X.
doi: 10.1016/j.bbrc.2019.05.017.
Trehalose intake and exercise upregulate
 a glucose transporter, GLUT8, in the brain.



もともとは
認知症などの神経変性疾患の治療を
目指していました。

(今もそうですが・・・)

そこで
トレハロースを利用して
脳のオートファジーを
亢進させ
異常物質や異物を排出させてしまおう。
というねらいでした。

しかし
トレハロース単独では
それほど効果は高くなかったのです。
(2016年)

そこで今回
トレハロースと運動を組み合わせて
さらなる
パワーアップを狙ったのですが



残念ながら
予想とは逆で
運動によって
その効果は減少してしまいました。

おそらく
運動のしすぎか
何かしらの条件を変えることで
より脳オートファジーの亢進が
認められるとは思うのですが、

ネズミでいくら条件を設定しても
あまり意味がないので
これ以上は
組み合わせ実験はやめることにしました。



一方
今回の研究で
予想外に面白かったのは
トレハロースが腸で
全て分解されているわけではなく
脳内に入り込まれて
エネルギーとなっている可能性を示している点です。

一般的に
運動すると
肝臓のグリコーゲンを使って
栄養を作り出すので
肝臓のグリコーゲンは減ります。

一方、
トレハロースを飲んだネズミは
肝臓でのグリコーゲンが
運動後も減っていませんでした。

紫色がグリコーゲンです。

トレハロースを飲むと
肝臓のグリコーゲンを使わずとも
どこかから
エネルギーを作り出しているのです。



運動する際に
トレハロースが体内にあると
脳内で
トレハロースを取り込む入り口が
広範囲に発現しはじめます。

また
その量は通常の8倍近くに増加します。

神経細胞へ
エネルギーを受け渡す
グリア細胞で
「トレハロース取り込む入り口」は発現していました。



まとめると
体は柔軟に
外からの食べ物を利用して
その場その場の状況を
うまく乗り切っているということです。

身体は
日常食べる食べ物で
できています。

これは
当たり前のことなのですが、
身体のバランスや柔軟性を
かんがえると
病気のときにも
身体は
必死に
もとの良い状態に戻るように
動いていると感じます。

これを自然治癒力と呼びます。

私たちができるのは
この自然治癒力を
サポートするために
「食」を意識することです。

人工添加物や
精製された食をなるべく
減らして
多様性のある食事を心がけましょう。

今日もありがとうございました。

みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


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