大学院生が頑張ってくれた論文が
アメリカのNIHの論文収録サイト
(通称パブメド)に今日のりました。
トレハロースと運動を組み合わせ
脳への影響を見た論文です。
Biochem Biophys Res Commun.
2019 May 8.
pii: S0006-291X(19)30885-X.
doi: 10.1016/j.bbrc.2019.05.017.
Trehalose intake and exercise upregulate
a glucose transporter, GLUT8, in the brain.
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もともとは
認知症などの神経変性疾患の治療を
目指していました。
(今もそうですが・・・)
そこで
トレハロースを利用して
脳のオートファジーを
亢進させ
異常物質や異物を排出させてしまおう。
というねらいでした。
しかし
トレハロース単独では
それほど効果は高くなかったのです。
(2016年)
そこで今回
トレハロースと運動を組み合わせて
さらなる
パワーアップを狙ったのですが
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残念ながら
予想とは逆で
運動によって
その効果は減少してしまいました。
おそらく
運動のしすぎか
何かしらの条件を変えることで
より脳オートファジーの亢進が
認められるとは思うのですが、
ネズミでいくら条件を設定しても
あまり意味がないので
これ以上は
組み合わせ実験はやめることにしました。
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一方
今回の研究で
予想外に面白かったのは
トレハロースが腸で
全て分解されているわけではなく
脳内に入り込まれて
エネルギーとなっている可能性を示している点です。
一般的に
運動すると
肝臓のグリコーゲンを使って
栄養を作り出すので
肝臓のグリコーゲンは減ります。
一方、
トレハロースを飲んだネズミは
肝臓でのグリコーゲンが
運動後も減っていませんでした。
紫色がグリコーゲンです。
トレハロースを飲むと
肝臓のグリコーゲンを使わずとも
どこかから
エネルギーを作り出しているのです。
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運動する際に
トレハロースが体内にあると
脳内で
トレハロースを取り込む入り口が
広範囲に発現しはじめます。
また
その量は通常の8倍近くに増加します。
神経細胞へ
エネルギーを受け渡す
グリア細胞で
「トレハロース取り込む入り口」は発現していました。
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まとめると
体は柔軟に
外からの食べ物を利用して
その場その場の状況を
うまく乗り切っているということです。
身体は
日常食べる食べ物で
できています。
これは
当たり前のことなのですが、
身体のバランスや柔軟性を
かんがえると
病気のときにも
身体は
必死に
もとの良い状態に戻るように
動いていると感じます。
これを自然治癒力と呼びます。
私たちができるのは
この自然治癒力を
サポートするために
「食」を意識することです。
人工添加物や
精製された食をなるべく
減らして
多様性のある食事を心がけましょう。
今日もありがとうございました。
みそしるが出ていれば
一押しお願いします。