最終更新日: 2020.09.6

トレハロースと運動を組み合わせて脳への影響を見た.

アルツハイマー病をはじめ
認知症をおこす病態の一つとして
全身の新陳代謝が低下しています。

特に
脳の新陳代謝が落ちていることから
異常な物質もたまり始め
さらに
病態を悪化させています。

私たちのラボでは
以前から
脳の代謝を亢進させて
認知機能を高める研究を進めています。

そのために
天然の糖質である
トレハロースを利用しました。



トレハロースと運動を組み合わせて

このトレハロースの現象は
世界中で試されて
様々な神経難病のモデルに生かされています。

しかし
以前の研究から

Trehalose intake induces chaperone molecules
along with autophagy
in a mouse model of Lewy body disease.

Biochem Biophys Res Commun. 2015;465(4):746-52.
doi: 10.1016/j.bbrc.2015.08.076.

トレハロース単独では
異常分子を減少させるほどの
威力がなかったために
今回はトレハロースに加えて
「運動」を併用しました

より効果を示すことを期待して
約3年かけて大学院の方と一緒に検証しました。

本日
最終原稿を出版社に
送りました。

結果から言うと
運動+トレハロースで
脳の代謝は逆に落ちてしまいました

がっくりです。



糖質と運動が脳へ影響することはわかったが・・・

運動の種類は
トレッドミル
簡単にいうと
ウォーキングです。

しかし
今回の結果から
「運動」は脳の代謝を下げてしまうと
結論付けるのは早い
と思います。

本来
運動は脳の代謝を亢進するもの
だと思っています。

運動の種類、時間、強度など
いろいろな条件によって
結果も変わってくると思っています。

ただ
この実験はマウスレベルなので
最適な運動の条件を求めたとしても
人に適応できないため
これ以上
トレハロースや運動の効果を
検証するつもりはありません。

では
どうやって認知症を改善
もしくは
進行をストップさせるのか?



パーキンソン病関連モデルマウスを活かして

実は
2ヶ月前に
病態は異なるのですか
約4年かけて
別の認知症モデルマウスを作成し
論文として報告しました。

多系統萎縮症モデル

この病態モデルマウスの結果から
脳と腸の深い関係
がわかってきました。

さらに
慢性炎症の関与が出てきたのです。

最近の記事で
慢性炎症や腸関連の記事が多いのは
このためです。

自然と意識が
「腸」や「慢性炎症」に
むいており
記事になっています。

これから3ヶ月ほどで
「腸」「慢性炎症」を
キーワードとして
認知症治療の可能性を
探るために
研究を進めていきます。

みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


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