頂いたコメントの中で
気になるものがあったので
調べました。
それは
「トレハロースを摂ると
転倒が多くなるという」コメントでした。
トレハロースは行動に作用するのでしょうか?
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腸内細菌がいるとこころが落ち着く
腸に細菌がいると
心や行動も安定するという記事を
昨日紹介しました。
腸内細菌による行動への影響(ハエをつかった研究より)
Nature. 2018;563(7731):402-406.
doi: 10.1038/s41586-018-0634-9.
A gut microbial factor modulates
locomotor behaviour in Drosophila.
この結果は
ハエで研究された論文をもとにしています。
ハエは通常
5から20種類の腸内細菌を持っています
腸内に全く細菌がいないハエは
ピョンピョンとした感じで
過活動をしめしました。
腸内細菌がいると
行動もこころも安定するということです。
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乳酸菌が行動を落ち着かせる?
そこで
無菌のハエに
腸内細菌を一種類づつ入れていくと
ある細菌をいれると
過剰な行動を抑制すると
いうことがわかりました。
乳酸菌の一種
ラクトバチルス・ブレビスです。
この行動が抑えられた
ネズミ腸内細菌層では
糖を分解する酵素が
産生されていることに着目し
ラクトバチルス・ブレビスがもっている
糖を代謝する酵素を
補充してあげると
これだけで
無菌ハエの過活動が抑えられました。
つまり
この血糖値が下がることで
効果活動が抑えられているといえます。
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血糖値があがるから行動が活動的になる
ハエをふくめて
昆虫はトレハロースが
血糖として使われています。
(ヒトではグルコースです。)
先ほどの
糖を代謝する酵素を
補充して行動が落ち着いたハエに
血糖であるトレハロースを与えると
再び過活動になりました。
逆に
交感神経に相当する
ハエのオクタペインを抑制すると
やはり活動を抑えられました。
つまり
ハエでは
腸内細菌の種類に応じて
交感神経が活性化されて
血糖値があがると
行動に影響及ぼしている可能性があります。
同じことは
人においても十分あると思います。
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まとめとして
ヒトでも
腸内細菌が
交感神経系を介して
血糖値を上げている可能性は十分あります。
血糖値が上がり下がりすると
ヒトの行動は簡単にかわります。
トレハロースであれ
砂糖であれ
血糖値があがると
行動に影響を与えるため
筋力が弱っている場合には
転倒などがおこるのかもしれないと思います。