最終更新日: 2019.04.27

トレハロースは活動や行動に影響 [血糖値があがるから?]

頂いたコメントの中で
気になるものがあったので
調べました。

それは
「トレハロースを摂ると
転倒が多くなるという
」コメントでした。

トレハロースは行動に作用するのでしょうか?



腸内細菌がいるとこころが落ち着く

腸に細菌がいると
心や行動も安定するという記事を
昨日紹介しました。

腸内細菌による行動への影響(ハエをつかった研究より)

Nature. 2018;563(7731):402-406.
doi: 10.1038/s41586-018-0634-9.
A gut microbial factor modulates
locomotor behaviour in Drosophila.

この結果は
ハエで研究された論文をもとにしています。

ハエは通常
5から20種類の腸内細菌を持っています

腸内に全く細菌がいないハエ
ピョンピョンとした感じで
過活動をしめしました

腸内細菌がいると
行動もこころも安定するということです。



乳酸菌が行動を落ち着かせる?

そこで
無菌のハエに
腸内細菌を一種類づつ入れていくと
ある細菌をいれると
過剰な行動を抑制すると
いうことがわかりました。

乳酸菌の一種
ラクトバチルス・ブレビスです。

この行動が抑えられた
ネズミ腸内細菌層では
糖を分解する酵素が
産生されていることに着目し
ラクトバチルス・ブレビスがもっている
糖を代謝する酵素を
補充してあげると
これだけで
無菌ハエの過活動が抑えられました。

つまり
この血糖値が下がることで
効果活動が抑えられている
といえます。



血糖値があがるから行動が活動的になる

ハエをふくめて
昆虫はトレハロースが
血糖として使われています。

(ヒトではグルコースです。)

先ほどの
糖を代謝する酵素を
補充して行動が落ち着いたハエに
血糖であるトレハロースを与えると
再び過活動になりました。

逆に
交感神経に相当する
ハエのオクタペインを抑制すると
やはり活動を抑えられました。

つまり
ハエでは
腸内細菌の種類に応じて
交感神経が活性化されて
血糖値があがると
行動に影響及ぼしている
可能性があります。

同じことは
人においても十分あると思います。



まとめとして 

ヒトでも
腸内細菌が
交感神経系を介して
血糖値を上げている可能性は十分あります。

血糖値が上がり下がりすると
ヒトの行動は簡単にかわります。

トレハロースであれ
砂糖であれ
血糖値があがると
行動に影響を与えるため
筋力が弱っている場合には
転倒などがおこるのかもしれないと思います。

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