筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬は
現在
実質
2つしかありません。
新しい薬剤を市場に出すために
日本の製薬会社が
動きました。
どんなタイプの薬剤なのでしょうか?
・
・
・
ALSの新薬剤へむけて
ALSの人は
現在
日本で約9000名から
10,000名おられ、
発症率が
10万人あたり
約1人から2人です。
ALSにも
大きく2つのタイプがあります。
発症から
「数ヶ月でなくなるケース」と
「何十年にもわたって進行がゆっくりと進む」タイプです。
どちらのタイプかは
現在、
「進行を見る」以外
まったく
予測がつきません。
赤ちゃん、子供、
10代、20代では
ほとんど罹患しません。
多いのは40代後半から60代です。
ALSの治療薬は限られており、
現在
実質2つしかありません。
リルゾール(主な商品名:リルテック)
エダラボン(商品名:ラジカット)です。
しかし
どちらも
延命効果は限られており、
新たな薬剤が求められています。
メディシノバの進めるALS治療薬
2020年6月
沢井製薬株式会社と
株式会社ニュージェン・ファーマが
ALS治療薬に関して
「共同開発」および
「製造販売」における
ライセンス契約を発表しました。
ニュージェン・ファーマが作った
新しい薬剤WN1316を
医薬品として広げるために
共同開発して
日本を含むアジアでの
販売を目指します。
・
・
・
ALSの酸化ストレスと炎症を抑える
ALSの
病態の一つに
「酸化ストレス」が挙げられます。
身体は
酸素により酸化します。
金属のように
体も年とともに
錆びついてきます。
ALSの方では
酸化ストレスが急激に
しかも
局所的におこっています。
今回の薬剤
WN1316は
この酸化ストレスを抑えます。
また
神経難病全般に言えることですが
慢性炎症が
起こっています。
WN1316は
この炎症もおさえます。
そのターゲットとなる分子では
NAIPと呼ばれるたんぱく質です。
・
・
・
ALSのNAIPとは?
NAIPとは
神経細胞死抑制因子
(Neuronal Apoptosis Inhibitory Protein)の略です。
名前の通り
「神経細胞の細胞死を抑える」
働きがあります。
元々
NAIPは
1996年に
別の疾患spinal muscular atrophy (脊髄性筋萎縮症) で
原因タンパク質として発見されました。
2018年には
日本のグループから
このNAIPのレベルが
ALSの患者さんの血液中では
健常者の半分ほどに減っていると
いう発表がありました。
日本人18人のALS患者さんと
健常者12人との比較です。
その際
パーキンソン病の方も
比較・検討されましたが
パーキンソン病の人では
健常者と同じNAIPの量でした。
つまり
ALSの人の血液中でだけ
NAIPの量が少なくなっていると
言うことです
WN1316で
NAIPの量を減らないように
保つことで
ALSの病態を抑える可能性があります。
・
・
・
今日もありがとうございました。
みそしるが出ていれば
一押しお願いします。