最終更新日: 2019.12.3

慢性炎症を抑える3つの食べ物. [インフラマソームも抑える可能性あり]

アルツハイマー病の脳では
慢性的な炎症が起こっています。

これは古くからしられています。
しかし
これまでは
神経細胞が死滅していくため
炎症が起こっていると考えられています。

では
どうして神経細胞が死んでいくの?
という疑問がのこります。

アルツハイマー病の新薬がでない

「老人斑が悪さをしているために
神経細胞がしんでいく」
そこで
「老人斑をできなくすればよい」
ということで
世界中
この流れで治療を目指しています。
しかし
現状は
新薬のための治験が失敗続きです。

アデュカヌマブもダメだった

(中国で十数年ぶりにアルツハイマー病
治療薬が承認されました。
これは
炎症を抑えるものです。)



新しいアミロイド仮設の提唱

事実だけをもう一度並び替え
新しい病態の仮説がではじめています。

そもそも
最初にもどって
「どうして炎症が
おこりはじめるのでしょうか?」

今月2109年11月のNatureに
最初の原因は
脳の部位によって
違う可能性がある
としています。

リレー選手のように
1人がこけると
次々と遅れ(蓄積)が出始めます。

頭の中のリレー選手は
「タウ」と「アミロイドベータ」、
そして
「インフラマソーム」です。

タウは
神経原線維変化の原因となる
タンパク質です。
アルツハイマー病の脳内では
このたんぱく質が
異常にリン酸化が起こります。

一方、
アミロイドβは老人斑を
つくるたんぱく質です。
年とともに異常に
たまってきます。

インフラマソームとは
炎症を調節している分子群です。
特に
炎症性の物質を作るさいに
活性化します。

この3者のだれが
こけても病態は進んでいきます。

論文では
インフラマソームの主要分子
を無くしたネズミを比較として
使っています。(右)

つまり
このネズミでは
炎症が起こりにくくなるということです。

下の図は
リン酸化タウをみています。
右のマウスの脳では
あまり反応がありませんが、
左のマウスの脳では
リン酸化タウが多く認められます。

また
この所見と相関して
ミクログリアが活性化しています。

つまり
炎症があると
病態が増悪していく、
そして
負のスパイラルが始まるようです。

治療を考えると
炎症を抑えること
病態を増悪させない方法の1つといえます。

今回の論文では
炎症の元になっている分子を
抑えてしまえば
病態が治まるのではないかということで
インフラマソームの
主要分子に対する阻害剤を使っています。

阻害剤が既に開発されており

アメリカでは
臨床の試験(治験)の
フェイズ1に進んでいます。

今回の研究結果は
ドイツのボン大学病院
および神経変性疾患部門が
筆頭著者です。
また
アメリカの
マサチューセッツ医科大学の方が
責任者です。



炎症を抑える食べ物は?

私たちのラボでも
炎症を抑える物質を
いくつか投与して
以前から病態への関与を見ています。

その一つが
天然の糖質です。
トレハロースです。
また
キノコ成分や
ある阻害剤なども試しています。

これまでの
結果から
炎症を抑える食べ物として
3つあげます。

発酵食品
ポリフェノール(色付きの野菜や果物)
新鮮な不飽和脂肪酸

いくら身体に良いからといって
食べ過ぎはダメです。
何事もほどほどで
よろしくお願いいたします。



今日もありがとうございました。
みそしるが出ていれば
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