最終更新日: 2021.08.17

ビール以外に イソアルファー酸 を含む食品はあるの?

ビールのホップに含まれている
イソα酸(イソアルファー酸)が
認知症の予防・改善効果

持つことが示されています。

ワインに含まれるポリフェノールが
認知症予防・改善効果を持つことは
以前から知られていました。

私も含め、
ビール好きにとっては
ビールにも
認知症予防・改善効果があるとは嬉しい。
(゚∀゚)

では、
イソアルファー酸を
多く含む食品は
ビール以外にもあるの?
調べてみました。



ビールの祭典

先週は
オクトーバフェストに行ってきました。
オクトーバフェストはビールの祭典です。

ビール好き、
ソーセージ好きにとっては極楽です。

ビールをのんで
認知症も予防できるなんて
幸せ過ぎです。

ドイツ人は認知症が
少ないのでしょうか?

統計を調べてみました。



ビールの認知症予防効果

ビールの認知症予防効果が
報告されました。

キリンホールディングスの
健康技術研究所と
東京大学と学習院大学との
共同研究です。

ビールに含まれる「イソα酸」は、
アルツハイマー病モデルマウスの
脳内の炎症と認知機能低下を防ぐ
JBC 292, 3720–3728 (2017〉
Iso-alpha-acids, Bitter Components of Beer, Prevent
Inflammation and Cognitive Decline Induced in a Mouse
Model of Alzheimer’s Disease.

ビールに含まれるイソアルファー酸が
アミロイドベータの排出をアップ
するからです。

アミロイドベータを
排出するルートは
少なくとも3つ知られています。



イソアルファー酸の効果とは?

イソアルファー酸は
以前に
グラム陽性菌に対して増殖抑制(抗菌作用)が
示されていました

今回の研究では
アルツハイマー病モデルマウスをつかって、
抗炎症効果があるのではと
推測されました。

そこで
アルツハイマー病の原因物質(βアミロイド量)と
サイトカインなどの炎症物質を測定しています。

また
脳内の老廃物を除去する
ミクログリアの活性化状態を評価しています。

よくわからん!

そういう方は
とばしてください。

結果として
イソα酸投与群では
コントロールと比較して
脳内のβアミロイドの量が
有意に減少しました。


左がコントロール
右がイソアルファー酸を与えた
アルツハイマー病モデルマウスの脳内。
茶色い「しみ、脳のごみ」が
イソアルファー酸投与により減っている。

また
イソα酸によって
脳内の炎症が抑えられました。

アルツハイマー病の方でも
パーキンソン病の方でも
ALSと呼ばれる病気の方でも
共通しているのは
「炎症」が起こっていることです。

炎症というと
「化膿したり」、
「赤くはれたり」
だとわかりやすいです。

これらは急性炎症です。

一方、
アルツハイマー病の方などで
起こっている炎症は
慢性炎症です。

アルツハイマー病では慢性炎症がまずおこっている

イソα酸によって
炎症が抑えられた
メカニズムとしては、

脳内の掃除を担当する
ミクログリアが頑張っていたのです。

ミクログリアの老廃物を
除去する能力がアップしていたのです。

また
行動試験をしたところ、
認知機能が有意に改善していました。

以上の結果により、

イソα酸は
脳内の老廃物を除去する
「ミクログリア」を
活性化することで
アルツハイマー病の進行を
抑制する

ことが示唆されました。



ビールをどれだけ飲めば良い?

今回のマウス実験では
15-48 mgを与えて、
効果を見ています。

実際に350 mLのビールや
ノンアルコールビールには
イソアルファー酸が
約10~30ppm程度含まれています。

30 ppm と考えて
30 mg/リットル。

ということは
13-14 mg/350ml。

つまり
缶ビール2缶で
マウス実験の量となります。

しかし
マウスと人では
体重が違います。

マウスは30g程度で
ヒトの100から200分の1程度。

ということで
研究結果と同じ効果を望むなら
缶ビールで
100缶から200缶から
飲む必要があります。

肝臓がもたんわ!



イソα酸の多いビールは?

ではできるだけ
イソα酸を多く含むビールであれば
飲む本数を少なくできます。
実は
ホップを多く利用している
「クラフトビール」は
総じて
イソアルファー酸含有量が高いのです。

ということは
各地方で作っている
地元のクラフトビールで
苦みが強いビールには
たくさんのイソα酸が
入っている可能性が高いです。



イソα酸自体を飲んだ効果

ビールではなく、
イソα酸だけを摂取して
ヒトの脳への作用を
検証している研究があります。

対象は
50―70代の男女25人。

グラス1杯分程度(180 ml)の
イソα酸を含むノンアルコール飲料

1日1回
4週間にわたって
摂取してもらいました。

そして
脳活動の変化をfMRIで測定しました。

結果は
特に高齢者ほど効果があったそうです。

参考 キリンビール



ビール以外にイソα酸を含む食品は?

ビールの製造中に加えた
ホップのイソα酸(フムロン類)が
沸騰することにより
イソフムロン類に変化します。

これが
ビールの「苦味」と
「香り」のもとになります。

残念ながら
ビールのホップ以外に
イソアルファー酸は含まれていません。



イソα酸以外でも苦いと認知症に効果?

苦味は英語でbitter、
ビター。
「ビター」チョコレートの
「ビター」です。

コーヒーにも苦味があります。
成分はカフェインです。

苦味は化学構造上大きく、
以下3つに分類できます。

●アルカロイド類
●テルペン類
●配糖体
です。

苦味があると
身体は「毒」だと判断します。

そのために、
身体からすぐに
排出しようとします。

コーヒーを飲むと
トイレにすぐ行きたくなるでしょ。

カフェインの効果です。
身体から排出(利尿効果)するためです。

イソアルファー酸の
フムロン類だけでなく、
アルカロイド系の
カフェインやニコチンも
苦み成分です。

お茶に含まれるタンニンや
ワインに含まれるポリフェノールも
苦み成分です。

オレンジの表皮のノビレチンといった
フラボノイド類(ポリフェノール)も
苦み成分です。

すでにこれらのうちの
いくつかは認知症予防効果や
慢性炎症の予防効果が
報告されています。

すべての苦み成分が
認知症予防効果を示すかどうかは
わかりません。

まだまだ
明らかにされていないものの方が
多いと思います。

上述した複数の苦み成分には
「身体から排出を促す」という
共通の排毒作用があります。

もし毒に興味がある方は
「植物はなぜ毒があるか」をどうぞ



ビールイソα酸の認知症改善効果のまとめ

ビールの苦味成分
イソアルファー酸は
脳内の掃除機能をもった
ミクログリアに働きかけて
慢性炎症を防ぎます。

同時に
老人斑などの異常分子も掃除します。

お茶、抹茶、コーヒーや
オレンジの皮などいずれも
苦み成分を含んでいます。

そして
認知機能の改善や
予防効果が既に報告されています。

ビールにこだわらず
お好きな飲み物・食べ物から
苦み成分を少量摂ると
脳内の異常分子の排出が促される可能性が高い
です。

40歳を超えると
認知症予防には
苦いものを毎日少し摂ろう。
身体の排出能力がアップします。

なんとチーズからも
認知症予防の有効成分が
出てきました。

チーズの認知症予防は本当?



今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


人気ブログランキング

2017年10月
« 9月   11月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

今月のピックアップ

PAGE TOP