高齢者に多い
精神疾患として
3つ挙げられます。
認知症、
妄想、
うつです。
病気が進行すると
これらが合併することも珍しくありません。
以前
認知症学会で
「妄想」の治療エキスパートたちが
集まったセッションに参加しました。
妄想は
薬物療法では
コントロールが難しいというのが
共通の見解です。
しかし
「あることをする」と
妄想がなくなる
もしくは軽減する
とのことでした。
人によって
妄想の種類も
その原因も異なるため、
順にみていきます。
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認知症に伴う妄想や
妄想性障害(パラノイア)には
妄想の種類により
大きく5つに分けられます。
妄想の5つのタイプ
被害型(persesecutory)
騙されている。
嫌がらせを受けている。
毒を盛られている
ものを盗まれた。
捨てられれた。
嫉妬型(jealous)
配偶者や恋人が不貞行為を
行っているのではないか。
隣人がいつも我が家を覗いている。
身体型(somatic)
自分が寄生虫に感染している、
悪臭を放っている、
醜くて他者に迷惑をかけている。
ガンにおかされている。
混合型(mixed)
家に誰かがいる。
その人にずっと見られている。
特定不能型
自宅を自宅と感じない。
旦那さん、もしくは奥さんが別人である。
松居一代さんの場合には
被害型である可能性を
以前の記事で指摘しました。
その対策として
「安心を得る」ことを提案しました。
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妄想を軽減するためには
人それぞれに
妄想が出現した時期が大切です。
妄想はどうして起こるのでしょう?
原因として大きく3種類あります。
「頭のある部位の機能低下」
「外因性原因」、
「心理的原因」です。
3つの原因が無関係ではありません。
1つの原因が
次の原因に関連しています。
結果的に、
妄想の種類によって
活動が低下する
脳の部位が異なっているのです。
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妄想はどんな方がなりやすいのでしょうか?
妄想性障害になりやすい性格の人がいます。
人に頼られる。
人助けが好き。
町内会長や自治会長などをしていた。
などです。
そんな人が突然、
実際には
もめ事なんてないのに
「もめ事を収めるために私が行かないと。」
「私がいないとだめなんだ!」
などといって
出かけていく。
妄想の始まりです。
仮に鈴木さんとしましょう。
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その後、
鈴木さんは
幸いにも
妄想がなくなりました。
どんな治療法だったのでしょうか?
妄想の改善法
上述した原因にも挙げられている
「心理的な面」をサポートするのです。
その時に
ヒントになるのが
「妄想が最初に出現した時期」です。
鈴木さんの場合には、
妄想が現れ始めたのは
引き受けていた
町内会長を退かれた頃です。
この数年前には
経営していた会社の第一線からも
退かれていました。
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つまり
突然、
まわりから「頼りにされなくなった」と
鈴木さん本人が
思いこんだのかもしれません。
本人が意識しているか
無意識なのかは
本人さえもわからないことがあります。
それまで鈴木さんは
自分の存在意義(価値観)を
「他人からの信頼」に置いていたのです。
少し難しいかもしれませんが
ここが大切なポイントです。
ヒトによって
価値観は違います。
と同時に
最も大切にしているものも違います。
鈴木さんは
「まわりから頼られなくなった」
イコール
「存在意義の欠如」になったのです。
妄想はそのヒトの
価値観を埋めるために現れるのです。
そこで
鈴木さんの場合には、
新たな生き方が見つかったとたん
妄想はなくなりました。
それまでの会社経営の知識経験を生かして、
ベンチャー企業の相談を
ボランティアで行うことになったのです。
まとめ
妄想の種類や
原因はヒトによって違うため、
改善方法は
抽象的になってしまいます。
注目する点は
妄想が現れた最初の時期は?
本人の最も大切にしている価値観はなんでしょうか?
この2点にヒントがあります。
男女によって
価値観には大きな違いがあります。
男性は「信頼」「冷静さ」「自立」
女性は「共感」「安心」「関係」
を大切にする傾向があります。
(頭・脳からみた
男女の違いのリンク先を張る予定です。)
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そのヒトの
価値観を満足させてあげる
もしくは
新たな価値観を与えてあげると
鈴木さんのように
妄想はなくなり、
また生き生きとしてきます。
一人でも
介護で苦しむ方が
すくなくなることを祈っています。
今日の記事はここまで。
情報を必要としているヒトに
あなたから届けてあげてください。
みそしる一押しお願いします。
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