アルツハイマー病の患者さんの
血漿中には
健常人に比べて
約3倍も多くLPSが含まれていました。
これまで
なぜだか
抗炎症剤を定期的に
服用していた人たちは
認知症の発症率が
低いことがわかっています。
アルツハイマー病の結果
炎症が起こっていると思われていたのですが、
実は真実は逆で
慢性炎症を抑えると
アルツハイマー病の病態が改善するのです。
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血漿中多く含まれていたLPSを
体内に接種するとどうなるのでしょう?
LPSを体内に
接種すると
急性の炎症がおこります。
さらに
老人斑や記憶障害が悪化します。
(画像中の茶色が老人斑です。
アルツハイマー病の患者さんの
脳内の染色像です。)
“Neuro-inflammation Induced by Lipopolysaccharide Causes C
ognitive Impairment through Enhancement of Beta-amyloid Generation,”
J Neuroinflammation 5 37.
doi: 10.1186/1742-2094-5-37.
つまり
LPSにより
アルツハイマー病の病態が
悪化するのです。
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身体には炎症を抑える
機能が備わっています。
免疫系です。
このシステムを担っているのが
免疫細胞です。
この免疫細胞を
脳に多く送り込むと
炎症と老人斑が減り、
認知テストの成績も向上したとの報告が
2015年に発表されました。
Breaking immune tolerance by targeting Foxp3+ regulatory T cells mitigates Alzheimer’s disease pathology.
Nature Communications 6, 7967 (2015)
doi:10.1038/ncomms8967
慢性炎症をおさえることが
治療にもつながるのです。
アルツハイマー病だけでなく、
レビー小体型認知症も
多系統萎縮症にも
応用可能であると思われます。
もちろん、
これまで
「免疫」が深く関与していると
推測されていた
多発性硬化症や
筋萎縮性側索硬化症にも
効果を発揮するはずです。
ちなみに
脳の炎症性疾患の代表である多発性硬化症でも
あらゆる慢性炎症が起こっています。
特に
オステオポンチンは
強い炎症誘導能をもったサイトカインです。
多発性硬化症の患者の脳検体での上昇も確認されています。
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なんでそんな身体によくない
ばい菌成分、LPSが血液中にあるの?
LPSは本来
消化管にある分子なので
血液中にはないはずです。
それが
なぜ
血管の中に存在するのか?
消化管(小腸)の粘膜から
血液中にはいる「透過性」が
高まっているのです。
つまり、
腸から血液中への
バリア機能が弱くなっているのです。
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この研究は
アルツハイマー病ではなく
パーキンソン病での結果です。
C.B. Forsyth, et al.,
“Increased Intestinal Permeability Correlates with Sigmoi
8d Mucosa Alpha-synuclein Staining and
Endotoxin Exposure Markers in Early Parkinson’s Disease,”
PLoS One 6, no. 12 (2011): e28032.
doi: 10.1371/journal.pone.0028032.
おそらく
アルツハイマー病でも
同じ機序でばい菌成分が
血液中に入りこんでいると思われます。
ばい菌といってますが、
外から入ってくるもの
ばかりではありません。
腸内には
身体を構成する細胞の
約10倍の
細菌たちが住んでいます。
ばい菌というと
聞こえは悪いですが、
LPSは
腸内細菌の体を
作っている分子の一つです。
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みそしる一押しお願いします。
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