最終更新日: 2019.01.22

遺伝子編集で双子はだめ? がん免疫治療には良い?

2018年11月に
中国の
南方科技大学の賀建奎副博士が
エイズウイルスに対して
免疫をもたせた人を誕生させていた。
2019年1月に
この事実が確認できたということです。

中国内はもちろん
世界的にかなり批判されていますが、
2018年12月
日本でも
基礎研究に限って
ヒトで遺伝子操作を容認しました。

技術的にはできるのに
病気の治療のためにも
遺伝子操作はだめなの?

中国の遺伝子操作ベイビー

最初に
私の印象としては
「ついにやってしまった!」という感じです。

2016年6月から
中国外の人物も含む
プロジェクトチームを組織し、
自己資金で
今回の研究に取り組んだということです。

そして
双子の女児「ルル」と「ナナ」が
2018年11月に誕生したと明らかにした。
2019年1月に
国家衛生健康委員会も地元当局に調査し
事実を確認しました。

この事実に対して
北京大学の先生たち122人も怒っています。
世界からも
この行為に対して非難殺到です。

エイズウイルス(HIV)に対する
免疫を生まれつき持たせた双子の女児

北京大などの科学者122人は「人体実験をするとは狂っているとしか形容できない」などと非難する声明を連名で発表。

理由はもちろん
実験動物の感覚で
「ヒト」を扱っている
ということです。

これまで
ゲノム編集した動物を作り出すことは
時間と労力が半端なくかかっていました。

ところが
クリスパーキャスシステム
(Crisper cas9システム)を使うと
いとも簡単に
遺伝子の編集ができてしまうのです。
わたしも実験、
研究で使っています。



がん治療に遺伝子操作はいいのか?

たとえば
最近進歩が凄まじい
ガン免疫療法の一つに
キメラ抗原受容体発現T細胞
(CAR-T細胞)療法があります。

これは
人為的に
細胞に遺伝子を組み込み

身体へ戻します。

米国食品医薬品局(FDA)は、
2017年9月に
CAR-T療法である「キムリア」(tisagenlecleucel)を
承認しました。

さらに
2017年10月にも
別のCAR-T療法である
「Yescarta」(axicabtagene ciloleucel)を承認しました。

ヨーロッパでも
この流れは続いています。
2018年4月
日本でも
CAR-T療法が正式に申請されました。

これは
人為的に遺伝子操作した
がん治療法です。



本人がゲノム編集を了承していればいいの?

また
グレーゾーンとして
以下の例があります。

遺伝子変異は
遺伝子操作でもできるし
自然界で突然生まれてくることもあります。

この変異を遺伝子操作として
扱うのかという問題です。

たとえば
筋肉がムキムキの鯛を
近畿大学は
「マッスル真鯛」として養殖しています。
今後、
食べるために売られるはずです。

これは
遺伝子操作ではなく
遺伝子が欠損しただけで起こる現象です。

こういった現象は
人為的に遺伝子をいじらなくても
自然と起こることです。

では
それを
人為的にするのと
自然におこるのとでは
なにが違うのか?

これも難しい問題です。

別の例として

妊婦の血液で
赤ちゃんにダウン症などがあるかどうかわかる
『新型出生前診断(NIPT)』では、
この検査で(赤ちゃんの)病気がわかった夫婦の
95%以上が人工妊娠中絶を選ぶ
と2018年3月に朝日新聞は報道しています。

中絶は人為的だけど許されるの?

そもそもゲノム編集とは?

色々なところで解説されているので
ここではザックリとだけ書きます。

ヒトには
22000から23000個程度の遺伝子が
あると推測されています。

好きな場所を
好きな配列に

入れ替えることができます。

最近のゲノム研究から
遺伝子だけでない場所も
いじると
遺伝子に影響を及ぼすこともわかってきました。



ゲノム編集でなにができる?

ゲノム編集技術を使うと
病気の治療から
最強の生物兵器

作り出すことも可能です。



整形もゲノム編集も人為的な操作

遺伝子操作の論点は倫理観だけ?
優秀な人、完璧な人を作り出すために
遺伝子をいじる
これは悪い!

病気を治す、未然に防ぐために
遺伝子をいじる
これは良い!

「目的」が
人類に貢献することであれば
許されるのか?

ここまで事実だけを
述べてきました。

私は
遺伝子操作が
良いとも
悪いとも言えない時期が
近い将来くると思っています

さらに
近い将来
流れ的には
遺伝子操作を
どういった場面で使うか
になってくると思います。

その最初のステップが
このニュースだと思います。

文部科学省が不妊治療などの「基礎研究」に限り、
人の受精卵にゲノム編集を施す研究を了承した
日本産経新聞2019年1月3日

文部科学省の生命倫理・安全部会は4日、狙った遺伝子を効率よく改変できる「ゲノム編集」を人の受精卵に施す研究について指針案を了承した。不妊治療などの基礎研究に限って認め、人や動物の子宮に戻し、妊娠、誕生させることは禁止する。厚生労働省や内閣府の同様の専門家会議の了承を経たうえで、2019年4月にも運用が始まる見通しだ。



まとめとして

ゲノム編集を一言で
良い、悪いといえないことが
お分かりだと思います。

今後
いろいろと議論されるとは思いますが、
流れ的には
できる技術があるんなら
使い方次第でしょ。
となってくる気がします。

ダイナマイトも
製薬も
使い方によっては
人類が滅亡します。

しかし
使われています。

ゲノム編集もいずれ
こっそりと
当たり前になる日がくるのでしょう。

遺伝子改変作物のように。

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