2002年から
2012年までの10年間で行われた
アルツハイマー病に対する
臨床試験の失敗率は99.6%です。
逆にいえば
0.4%しか
薬剤として効果がなかったということです。
これまでの
手法や仮説が
間違っている可能性があります。
しかし
希望もあります。
新たな手法で認知症治療に挑んでいる
会社がでてきています。
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アレクターが挑むアルツハイマー病治療
0.4%とは
驚くほど少ない確率です。
認知症の治療薬を
1000個候補を絞り
臨床試験をして
結果4つしか
効果がなかったという割合です。
誰にもわかりませんが、
少なくとも
いえることは
アルツハイマー病や
神経難病の場合には
これまでの手法や仮説から離れ、
新たなアプローチで挑む時期が来ています。
今
Alector(アレクター)という
会社が注目されています。
新たな手法で
現在
アルツハイマー病と
前頭側頭型認知症(FTD)に対する薬剤を開発中です。
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アレクターってどんな会社
Alectorはアメリカのサンフランシスコにある会社です。
2013年に創業されました。
ホームページには
To develop therapies that empower the immune system
to cure neurodegeneration and cancer.
認知症やがんに対して
免疫を生かした治療薬の開発をしています。
アレクターが注目されている理由は
臨床でつかえる薬剤を
効率よくつくる方法を
開発したからです。
言い換えれば
臨床で使えない薬剤を
いくら治験で試しても
お金と
コストと
人件費の無駄となります。
むつかしいところで
臨床で
使えるか
使えないかは
やってみないとわからない
ばくち的な面がありました。
Alectorの創業者
ローゼンタールも
治験の失敗を経験しています。
アルツハイマー病に対する
モノクローナル抗体
Ponezumabを開発したのですが、
臨床実験の最終ステージ
フェーズ3にまで
届きませんでした。
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アレクターの新たな手法とは?
製薬各社が研究開発している
これまで
認知症(アルツハイマー病)の治療薬として
多くは、
アミロイドβの蓄積や
タウの凝集に焦点を置いています。
しかし
別の分野の知見を入れて
臨床で効く(であろう)薬剤に絞ったのです。
前述した失敗を糧にして
Alectorは
従来の研究と
「人類遺伝学」を組み合わせることで、
新薬開発の成功率を高めているのです。
そのため、
OrbiMed、GV(旧グーグル・ベンチャーズ)、
アッヴィ
メルクや
ジョンソン・ジョンソン傘下のヤンセン・ファーマなど
大手製薬会社や
ベンチャーキャピタルから資金をうけて
その総額はこれまでに
4億ドル(約400億円)を超えます。
実際に
現在開発中の薬剤2種は
アルツハイマーの治療薬です。
アルツハイマー病のリスク遺伝子として
同定されている2つの遺伝子に標的を絞っています。
TREM2遺伝子と
SIGLEC-3遺伝子です。
もう1つは
前頭側頭型認知症(FTD)に対する薬剤です。
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TREM2って何?
TREM2は
アルツハイマー病
パーキンソン病
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
の危険遺伝子と報告されています。
参考までに
TREM2遺伝子に関するレビューです。
Lue LF, Schmitz C, Walker DG (2014).
What happens to microglial TREM2 in Alzheimer’s disease:
Immunoregulatory turned into immunopathogenic?.
Neuroscience. 302: 138–50.
doi:10.1016/j.neuroscience.2014.09.050.
炎症や免疫系と
関係のある分子で
脳の中のブリア細胞の表面にあるようです。
まとめ
アレクターの
人類遺伝学との組み合わせ手法は
どの程度効果があるのか楽しみです。
わたしも
オートファジーと
糖質を併せて
認知症治療にむけて
動いています。
明後日、国際学会で発表です。
ドキドキ。
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