パレイドリアとは
日常見慣れているものや風景が
顔に見えてくる生理現象です。
一方、
幻視とは
まったくないものや
見えないものが
見えてくる
生理現象です。
パレイドリアや幻視の頻度が
高いとレビー小体型認知症の可能性があります。
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レビー小体型認知症とは
アルツハイマー病と並び
認知症を引き起こす神経難病です。
レビー小体型認知症(Lewy body dementia)の
正確な原因は
残念ながら
まだわかっていません。
しかし
研究は日々進んでいます。
また
診断技術も上がってきています。
レビー小体型認知症で
亡くなった患者さんの脳内には
必ずある異常な構造物が認められます、
レビー小体です。
(表紙画像茶色いもの)
レビー小体自体は
小さな構造物ですが、
この構造物を突破口に
病態解明が
大きく発展しています。
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レビー小体型認知症の病態
これまでに
わかっている事実として
大きく3つあります。
1 レビー小体は何からできているの?
レビー小体の蓄積が
主にシヌクレインという
タンパク質でできていること。
2 レビー小体は神経とどう関係するの?
その蓄積が
脳の特定の神経細胞消失と相関すること。
3 レビー小体は症状とどう関係するの?
主に2つの神経伝達物質の減少と比例すること。
アセチルコリンと
ドーパミンです。
アセチルコリンは
記憶や学習に重要な神経伝達物質です。
アルツハイマー病でも
アセチルコリンが減少することが知られています。
一方、
ドーパミンは、行動、認知、運動、やる気、睡眠、
および気分などに重要な役割を果たします。
ドーパミンはパーキンソン病でも
減少することが知られています。
ちなみに
パーキンソン病と
レビー小体型認知症は
病態としてはかなり近く、
まとめて
レビー小体病とも呼ばれます。
この2つの神経伝達物質
アセチルコリンと
ドーパミンが
減少するにつれて
上記の行動や気持ちが
変化していきます。
記憶が衰えてきたり
やる気がなくなったり
睡眠障害がでてきたりします。
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レビー小体型認知症とアルツハイマー病との関係
さらに
レビー小体型認知症は
長期になると
アルツハイマー病の人々に見られる
老人斑などの変化を
合併する確率が高くなります。
これは
シヌクレインタンパク質が
老人斑のアミロイドベータタンパク質
神経原線維変化のタウタンパク質
を凝集させやすくするからだと
考えられています。
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パレイドリアをつかった
レビー小体型認知症の診断
少しお待ちください。
レビー小体型認知症かな?
という方に簡易なテストがあります。
上述したように
幻視やパレイドリアが
約40%のレビー小体型認知症には
認められると報告されています。
そこで
この症状をつかった
簡易なテストが開発されています。
パレイドリアテスト
または
ノイズパレイドリアテストと呼ばれています。
ここで紹介するテストは
パレイドリアがどの程度おこるかという
テストです。
正式なものではありません。
イギリスのlenstoreという会社が
開発したあくまでも
簡易テストです。
注意する点として
健常者でも
幻視やパレイドリアはあります。
境界線があいまいなのです。
約2000人が10枚の画像をみて
どの程度の人が
顔に見えたかを示してくれます。
making face test
ちなみにわたしは
結果で
85%の人よりも
多くパレイドリアを起こしやすいということでした。
あれっ、
ということは
やけに
パレイドリアを起こしやすい。
(;一_一)
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医学的なパレイドリアテスト
ノイズパレイドリアテストと
呼ばれています。
まずは
以下の三枚の画像をじっと
見つめてください。
いいですか?
1番左側(A)は
ほぼ全ての人が
徐々に顔がみえてきます。
真ん中の画像(B)では
ほとんどの人が
「顔みたいなもの」が見えてきます。
1番右(C)では
ほとんどの人は顔を認識できませんが
パレイドリアの強い人は顔を認識できます
つまり
1番右の画像で
顔が見える人はパレイドリアがあり
レヴィー小体型認知症の可能性があります。
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パレイドリアテストの注意点
あくまでも
簡易なテストとして
ご利用ください。
繰り返しですが、
顔が見えたからといって
病気ではありません。
もし
これらのテストで
顔が見える確率が高く
さらに
上述した症状、
記憶が不確かなことが多い
やる気が起きない
睡眠障害など
が認められる場合には
医療機関へ行くことも視野に入れてください。
レビー小体型認知症の
確定診断には
病院での
心筋シンチグラフィーや
DATスペクトを併用して
より正確に診断する必要があります。
仮に
レビー小体型認知症だと診断されれば
早期に治療を始めた方が
予後は良いです。
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パレイドリアテストで顔が見える方へ
注意点として
医療機関は必ず
「神経内科」を受診してください。
めまいや
ふらつき、
便秘などの症状だけで
一般内科、
眼科、
精神科
心療内科を受診すると
「レビー小体型認知症」を診断する
知識、経験が少ない可能性があり
誤診される危険があります。
レビー小体型認知症以外の疾患に関しては
この限りではありません。
よろしくお願いします。
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今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
次世代には
認知症で苦労する人や
介護する人を少なくしたい。
「あなたから認知症予防を」をスローガンに
「研究」と同時にこのブログでコツコツと活動をしています。
今日もありがとうございました。
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