最終更新日: 2018.04.30

クロストリジウム 分泌物が こころ や 自閉症 に影響する.

腸内細菌が
ヒトの
「こころ」や行動に
影響することがわかってきました。

とくに
腸内細菌の分泌物が
「自閉症」を
引き起こすと言われています。



腸内細菌のなかの
クロストリジウムは
「プロピオン酸」を分泌します。

プロピオン酸とは
(短鎖)脂肪酸のひとつです。

プロピオン酸が
腸上皮から吸収されると
そのまま脳にまで到達し
生体の行動を
調節することがわかっています。

特に
「自閉症」と関係が言われています。



実際には
ラットの子どもを使った研究です。

プロピオン酸を
ネズミに与えると、
反復行動、
社会的行動の障害、
発作などが現れました。

ヒトにおける
自閉症に類似した
多動性も出てきたということです。

MacFabe DF, Cain DP, Rodriguez-Capote K, Franklin AE, Hoffman JE, Boon F, et al.
Neurobiological effects of intraventricular propionic acid in rats:
possible role of short chain fatty acids on the pathogenesis and characteristics of autism spectrum disorders.
Behav Brain Res. 2007;176:149–69.

Thomas RH, Foley KA, Mepham JR, Tichenoff LJ, Possmayer F, MacFabe DF.
Altered brain phospholipid and acylcarnitine profiles in propionic acid infused rodents:
further development of a potential model of autism spectrum disorders.
J Neurochem. 2010;113:515–29.



自閉症が出てきた
メカニズムとしては、
酸化ストレス、
神経炎症、
エネルギー代謝障害、
グルタミン酸興奮毒性などが
関与しているといわれています
El-Ansary AK, Ben BA, Kotb M. Etiology of autistic features: the persisting neurotoxic effects of propionic acid. J Neuroinflammation. 2012;9:74.
Al-Suwailem 2016)。

最近の別の研究では、
250mgプロピオン酸/ kg体重(BW)/日の
経口投与を3日間行った
げっ歯類モデルにおいて、
探索的、社会的、歩行運動的
および
反復的様の症状が見出された
ということです。

以上は
ネズミでの研究ですが
腸内細菌が分泌する物質が
ヒトの行動にも大きく影響する可能性があります。

プロピオン酸はまだ
発見された数少ない例の1つです。

今後も
続々と
腸内細菌の分泌物が
神経系
特に
脳へと影響する報告が出てくると思います。



以前は
食物繊維も
ヒトでは
分解する酵素がないために
消化できないといわれていました。

しかし

最近の研究では
腸内細菌は
食物繊維を餌にして
短鎖脂肪酸を作り出すことが
わかっています。

ヒトの身体は
色々な
生き物(腸内細菌)
とともに
共生しているんですね。



最後に
クロストリジウム属(Clostridium)には、
種類がいっぱいあります。

ウィキペディアより引用。

クロストリジウム属(Clostridium)は、
真正細菌の一属である。
偏性嫌気性で芽胞を形成するグラム陽性の桿菌である。

ヒトでいうと
クロストリジウム属は
田中さん
中村さん
山本さん
みたいな感じです。

まだ
クロストリジウム・ボツリヌム
クロストリジウム・テタニ
クロストリジウム・ディフィシレ
など氏名の「名」があります。

この「名」によっては
毒性を発揮するもの
工業的に
アルコールを作り出すことができるので
生かせる菌いるんです。

菌の世界は奥が深いです。



今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

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