腸内細菌が
ヒトの
「こころ」や行動に
影響することがわかってきました。
とくに
腸内細菌の分泌物が
「自閉症」を
引き起こすと言われています。
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腸内細菌のなかの
クロストリジウムは
「プロピオン酸」を分泌します。
プロピオン酸とは
(短鎖)脂肪酸のひとつです。
プロピオン酸が
腸上皮から吸収されると
そのまま脳にまで到達し
生体の行動を
調節することがわかっています。
特に
「自閉症」と関係が言われています。
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実際には
ラットの子どもを使った研究です。
プロピオン酸を
ネズミに与えると、
反復行動、
社会的行動の障害、
発作などが現れました。
ヒトにおける
自閉症に類似した
多動性も出てきたということです。
MacFabe DF, Cain DP, Rodriguez-Capote K, Franklin AE, Hoffman JE, Boon F, et al.
Neurobiological effects of intraventricular propionic acid in rats:
possible role of short chain fatty acids on the pathogenesis and characteristics of autism spectrum disorders.
Behav Brain Res. 2007;176:149–69.
Thomas RH, Foley KA, Mepham JR, Tichenoff LJ, Possmayer F, MacFabe DF.
Altered brain phospholipid and acylcarnitine profiles in propionic acid infused rodents:
further development of a potential model of autism spectrum disorders.
J Neurochem. 2010;113:515–29.
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自閉症が出てきた
メカニズムとしては、
酸化ストレス、
神経炎症、
エネルギー代謝障害、
グルタミン酸興奮毒性などが
関与しているといわれています
El-Ansary AK, Ben BA, Kotb M. Etiology of autistic features: the persisting neurotoxic effects of propionic acid. J Neuroinflammation. 2012;9:74.
Al-Suwailem 2016)。
最近の別の研究では、
250mgプロピオン酸/ kg体重(BW)/日の
経口投与を3日間行った
げっ歯類モデルにおいて、
探索的、社会的、歩行運動的
および
反復的様の症状が見出された
ということです。
以上は
ネズミでの研究ですが
腸内細菌が分泌する物質が
ヒトの行動にも大きく影響する可能性があります。
プロピオン酸はまだ
発見された数少ない例の1つです。
今後も
続々と
腸内細菌の分泌物が
神経系
特に
脳へと影響する報告が出てくると思います。
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以前は
食物繊維も
ヒトでは
分解する酵素がないために
消化できないといわれていました。
しかし
最近の研究では
腸内細菌は
食物繊維を餌にして
短鎖脂肪酸を作り出すことが
わかっています。
ヒトの身体は
色々な
生き物(腸内細菌)
とともに
共生しているんですね。
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最後に
クロストリジウム属(Clostridium)には、
種類がいっぱいあります。
ウィキペディアより引用。
クロストリジウム属(Clostridium)は、
真正細菌の一属である。
偏性嫌気性で芽胞を形成するグラム陽性の桿菌である。
ヒトでいうと
クロストリジウム属は
田中さん
中村さん
山本さん
みたいな感じです。
まだ
クロストリジウム・ボツリヌム
クロストリジウム・テタニ
クロストリジウム・ディフィシレ
など氏名の「名」があります。
この「名」によっては
毒性を発揮するもの
工業的に
アルコールを作り出すことができるので
生かせる菌いるんです。
菌の世界は奥が深いです。
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ありがとうございました。
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