先週、開催されたセミナー内容は
「再生医学」でした。
特に臓器移植でした。
私ははっきり言って
再生医学 ヨクワカリマセン。
セミナー途中で出ようかと
予定していたのですが、
意外とおもしろい!
ドンドンと引き込まれていました。
ついに質問まで
してしまいそうな勢いでした。
結局
時間の関係で
質問はできなかったのですが、
「脳の移植」が進んだ先には
なにがあるんですか?
と聞きたかったのです。
だって
脳を試験管内で
作ってるですよ。
それを移植する?
認知症の患者さんだったら
病変部位を新しい脳と
とっかえて
認知症は治った。
けど
性格も記憶も人格も
変わっちゃう・・・
でしょ?
再生医学
特にオルガノイドの現実を
みていきましょう。
(私は
オルガノイドという言葉自体
初めて聞きました。)
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再生医学の歴史
もともと再生医学は
ウニから進んできたそうです。
表紙の画像はウニのつもりです。
(^-^)
ウニの細胞は
ばらばらにしても
見事に
また個体が出来上がるそうです。
ほっほー。
すごいよね。
ウニ
美味しいだけじゃないんだね・・・。
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ウニにできるなら
ヒトでもできるはずだと。
そして
実際に
ヒトの細胞で
世界の再生医学を
リードしてきたのが
日本の研究者です。
特に小保方さん問題が原因で
亡くなった笹井芳樹さんです。
笹井さんは立体的に臓器を作る
エキスパートだったのです。
笹井さんは
脳下垂体の立体的な形成にも成功し、
井上学術賞、山崎貞一賞、武田医学賞、上原賞などを
受賞していました。
まったく知りませんでした。
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再生医学は必要?
わざわざ臓器作って入れる必要あんの?
臓器移植があるやん!
現実的な問題として
臓器移植の希望者は多いんだけど
ほとんどの人が
提供を受けることができずに亡くなっています。
日本での臓器移植の希望者数
(2016年1月現在)
厚生労働省データをもとに作成
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047621.html
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原因は
臓器提供者の少なさです。
日本の臓器移植の率は
海外と比較してもかなり低い。
日本臓器移植ネットワークより引用
https://www.jotnw.or.jp/jotnw/credo.html
つまり
日本での
臓器移植希望者の
ほとんどの方が
提供を受けることができずに
亡くなられています。
そこで
臓器提供者が少ないなら、
臓器を作ろう!ということです。
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iPS細胞の移植
iPS細胞があるじゃないですか。
2017年
加齢黄斑変性の患者さんに対して
iPS細胞由来
網膜色素上皮シートが移植されました。
理化学研究所(理研)の
多細胞システム形成研究センター
網膜再生医療研究開発プロジェクトの
髙橋政代さん率いるグループが先導しています。
高橋政代さんと旦那さん、ダブルのノーベル賞受賞も夢じゃない。
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理化学研究所や神戸市立医療センター中央市民病院などは1日、他人から作ったiPS細胞を目の難病患者に移植する臨床研究で当初予定した5人の手術を終えたと発表した。1人目は3月に実施していた。それぞれ1年かけて安全性などを観察し、詳細を公表する予定だ。
患者本人の細胞は拒絶反応の心配が少ないが、細胞ががんにならないかを調べる検査などに約1億円かかったとされる。あらかじめ安全性を確かめた他人の備蓄iPS細胞を使えば、1人当たりの費用を大幅に削減できる。
2017年11月1日
日本経済新聞より引用。
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ただiPS細胞の移植にも
デメリットがあるのです。
しかも
かなりシビアな問題です。
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iPS細胞の欠点・デメリット
1人目のときに
iPS細胞が10の3乗、
つまり1000個の細胞が
移植されました。
網膜移植を実現するのに
携わった人は約20人。
約20人が数年かけて
ようやくできたのです。
そして
かかった費用は約1億円。
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一方、
目以外の臓器
たとえば
肝臓移植には
さらに多くの細胞数が必要です。
どれだけ必要かというと
10の10乗、
つまり
10000000000個です。
単純に計算すると
人数は
20人の10000000倍
経費は
1億円の10000000倍です。
再生医学
ド・シロートの私がみても
iPS細胞では
肝臓移植が非現実的だとわかります。
最近の報道では
iPS細胞移植の
安全性も効率も向上して
1000万円程度でできるようになったと
報道されました。
経験が増えて
効率はもっと良くなるでしょう。
けど、
肝臓、腎臓に応用するには
あと10000倍は
効率および経済面を改善しないといけません。
ここまで
iPS細胞を利用した方法を
改善するにも限度があると思います。
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この問題を解決するために
細胞ではなく、
臓器を作ってから移植する必要があるのです。
オルガノイドです。
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オルガノイドとは
3次元的に試験管内でつくられた臓器である。
オルガノイドをつくり出す技術は、
2010年代初めから急速に進歩しており、
ザ・サイエンティスト(英語版)誌は
オルガノイドを「2013年の最大の科学的進歩の1つ」に選んた。
wikipediaより引用。
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山中伸弥先生も
iPS細胞から臓器作成へと動いています。
今回
講演された武部貴則先生
(横浜市立大学 臓器再生医学)
とも共同研究をしているとのことでした。
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オルガノイドの利点・メリット
オルガノイドで作られた臓器を
移植する場合には
iPS細胞と比較して
コスト面、労力面でかなり効率的です。
どれくらい効率的?
少なくとも
100000倍、効率的です。
つまり
なんとか肝臓臓器移植を
一億円かからずにできる
ところまできたそうです。
2020年をめどに
臨床応用をしたいとのことでした。
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オルガノイドの欠点・デメリット
一方、
課題はたくさんあります。
iPS細胞の自己増殖
自己組織形成能力に依存しているため、
ちょくちょく
意図しない細胞、組織ができるそうです。
最も
できてくる組織は
「腸」だそうです。
肝臓作ろうとしたら
小腸ができちゃったという感じです。
あとは
マウスレベルで
血管の新生や
循環はうまくいくのですが、
神経支配は
まだ未解決の問題だといっていました。
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まとめとして
iPS細胞では
解決困難な課題を
「臓器レベル」で解決できる日も
近いのかもしれません。
アインシュタインが
残した言葉に
「課題は同じ次元では解決できない。」(べビブレ流意訳)
というのがあります。
We cannot solve our problems with the same thinking we used when we created them.
要するに
解決困難な課題は
視点や技術のレベルを
上げると解決できる
ということです。
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今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
みそしる一押しお願いします。
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