「認知症・認知機能の低下」と
深く関連する要因があります。
これらの要因を減らすことができれば
35%の認知症は防げます。
一番の相関する要因は意外でした。
実は「聴力」です。
・
・
・
・
・
・
認知機能に影響する要因
認知症発症に係るリスクは以下です。
中年期以降の聴覚低下 9パーセント
初等中等教育 8パーセント
晩年期からの喫煙 5パーセント
晩年期からの「うつ」 4パーセント
晩年期からの運動不足 3パーセント
晩年期からの社会的孤立 2パーセント
中年期からの高血圧 2パーセント
晩年期からの糖尿病 1パーセント
中年期からの肥満 1パーセント
トータル 35パーセント
これ以外は
遺伝要因や未解明の部分です。
この中でトップが
「中年期以降の聴力低下」。
詳細は以前の記事をどうぞ。
・
・
・
聴力テスト
「嗅覚低下」が
認知機能や神経変性の超初期症状ということは
よく言われています。
たしかに
嗅覚も
視覚も
味覚も
聴力も
触覚も
五感はすべて
加齢とともに衰えてきます。
聴力がどの程度か
まずは試してみましょう。
(注意)
ビーっという音が出ます。
人混みでは再生しないでください。
年齢が上がるほど
(加齢性難聴)
だんだんと音が聞き取りづらくなります。
ちなみに
わたしは15000Hzがぎりぎりで
それ以降の音はさっぱり聞こえませんでした。
・
・
・
なぜ高い音がきこえにくくなるの?
耳は
高い音から聞き取りにくくなる傾向があります。
なんでや?
音は外耳、
中耳を通った後
内耳に達します。
内耳にある蝸牛(かぎゅう)で
音を認識します。
蝸牛とはカタツムリみたいな形をしています。
蝸牛の中には、
「有毛細胞」と呼ばれる、
毛(繊毛)をもった細胞をびっしりと生えています。
有毛細胞は細胞ごとに違った音に反応します。
・
・
・
有毛細胞の並び方に特徴があり、
蝸牛の入り口に近い
有毛細胞は高い音に反応します。
奥に行くほど
低い音に反応する有毛細胞になります。
音は必ず蝸牛の位置口から入ってくるために
入り口に近い再細胞ほど
常に様々な音にさらされ続けることになります。
その結果、
加齢とともに次第にダメージを受けて
最終的には有毛細胞が
入り口から破壊されると考えられています。
つまり
高い音ほど
徐々に聞こえにくくなってくるのです。
・
・
・
難聴の種類
聴力低下には
原因により
加齢性難聴と病的難聴にわかれます。
KinKi Kidsの堂本剛さんが
2017年6月27日に
突発性難聴で入院しました。
(2017年7月4日に退院。)
突発性難聴は
病的難聴の一種です。
原因がわからないのですが
ウイルス説や
細菌説
ストレス説など
いまだに原因不明です。
突発性難聴と
認知機能は関係がありません。
認知症と関係があるのは
中年期以降の聴力低下です。
・
・
・
病的難聴をおこす病気
大きく分けると6つにわかれます。
外傷
炎症
腫瘍
代謝障害
血流障害
その他として
メニエール病
自律神経失調症などがあります。
(自律神経失調症の中でも
特に「めまい」は難聴と関係します。)
原因が一つの時もあれば
合併することもあります。
また
相互に関連することも
珍しくありません。
・
・
・
たとえば
脳腫瘍(グリオブラストーマなど)が大きくなった結果、
聴覚を司る神経領域がダメージをうけ
結果として
「難聴」が出てくることもあります。
また
脳梗塞で
聴神経の血管を障害した結果
血流障害から
「難聴」がでてくることもあります。
・
・
・
おまけ
音の周波数は高いほど
ビーっと頭に響きます。
しかし
さらに周波数があがり、
超音波ともなると
ヒトは聞くことができなくなります。
ラットは超音波の笑い声をだします。
ラットの笑い声は
50,000 Hzなので
私たちヒトには聞こえません。
特殊なマイクで
50000 Hzの音を聞こえるようにしたのが
下の動画です。
・
・
・
ラットをくすぐると
キュキュキュと笑い声をあげています。
ちなみに
もっとも笑い声をあげるのは
お腹をくすぐった時です。
背中やしっぽをくすぐっても
あまり効果はありません。
また
ラットにストレスがあると
笑わなくなります。
以下の文献を参考にしました。
「ラットをくすぐった時の体性感覚野の神経活動」
Neural correlates of ticklishness in the rat somatosensory cortex.
S. Ishiyama, M. Brecht
Science 2016:Vol. 354, Issue 6313, pp. 757-760
DOI: 10.1126/science.aah5114
・
・
・
今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
私たちの感覚野は
一部の周波数にしか応答しません。
赤外線は見えないし、
超音波はきこえません。
一方
虫たちや
動物たちは
ヒトとは違う感覚をもち
違う世界を見ている(感知)しています。
たとえば
犬と散歩をしているとき
同じ景色を見ていても
犬が見ている景色と
ヒトが見ている景色は
まったく違う世界なんです。
みそしる一押しお願いします。
人気ブログランキング