乳がんの治療として
光免疫療法が使える日も
遠くなさそうです。
乳がん細胞に特異的に結合する抗体さえあれば
あとは光吸収体を結合するだけで
劇的な効果を期待できます。
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光免疫療法のこれまで
光免疫療法 photoimmunotherapy (PITとも呼ばれる)。
以下の論文で
ネズミに対する効果を見ています。
「特定の膜分子を標的とする、
がん細胞選択的な in vivo 近赤外光免疫療法」
Nature Medicineに2011年に報告されました。
Nature Medicine 17, 1685–1691 (2011) doi:10.1038/nm.2554・
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光免疫療法の2段階の効果
光免疫療法のメカニズムは
動画でみるとわかりやすいです。
映像は
アメリカ
国立がんセンターより引用
https://www.cancer.gov/news-events/cancer-currents-blog/2016/photoimmunotherapy-cancer
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光免疫療法は、
ガン細胞に特異的に結合する抗体と
光吸収体を使用した
新規の免疫療法の一種です。
まず、
静脈注射した抗体+光吸収体が
ガン細胞にくっつきます。
そして
近赤外光が照射されると、
光吸収体が反応し、
細胞が膨潤、破裂し、ガン細胞が死滅します。
まずは
ここまでを映像で
説明しています。
言語は英語ですが
映像があるので
理解しやすいです。
映像では
ガン細胞が光吸収体により
破壊されたところまでですが、
実は
体内ではガン細胞を除去する
更なるシステムが動き出します。
死滅したガン細胞の断片を
免疫細胞が貪食することで
異物として認識します。
すると
抗体+光吸収体の結合しなかった
ガン細胞も免疫細胞により
異物と認識され、排除されます。
つまり、
光免疫療法は、
2段階でガン細胞を体内から除去する仕組みです。
さらに
光免疫療法は
手術不能なガン患者さんにも適応可能です。
実際に、
頭頚部ガンの患者さんには
臨床試験が着々と進んでいます。
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ほかのガンはどうでしょう?
実はガン細胞といっても
細胞種、
組織により
ガン細胞表面の組成が違っています。
つまり
ガン細胞種ごとの特異抗体
がありさえすれば
あとは
光吸収体を結合して
投与するだけで
同様の効果が期待できます。
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乳がんでは以前から
HER2(ハーツ―)とよばれる分子に対する抗体があります。
HER2は細胞表面に存在している受容体です。
HER2に対する抗体を加えることで、
HER2の働きを抑えれば
細胞増殖に影響がでます。
つまり
ガン細胞は増殖できなくなるのです。
実際に
HER2に対する抗体がつくられました。
そしてハーセプチンという商品名で
すでに治療が行われており、
一部の乳がん患者に対して有効性が示されています。
このHER2と光吸収体を結合させた
複合体を静脈注射して光を照射すると
現在の頭頚部ガンと同様の効果が期待できます。
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光免疫療法の副作用
HER2がくっつかない
細胞に対しては光(赤外線)はなんの影響もありません。
つまり
光免疫療法の副作用は
限りなく「無し」に等しいのです。
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認知症にも光免疫療法がつかえるの?
残念ながら
光免疫療法は
認知症や神経難病には
あまり向かないと思います。
(ご質問くださったYSさんへの答えです。)
たとえば
神経細胞の外に貯まっている
異常分子に対する抗体を使って
光吸収体を結合して
光を照射します。
すると
光吸収体が反応して
異常分子が壊れればいいのですが、
細胞ではないため、
構造が変化する程度かもしれません。
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さらに
認知症や神経難病の場合には
異常は(神経)細胞内にあるため、
抗体が細胞内にまで
到達できません。
残念ながら
ガンと同じアプローチでは
認知症や神経難病に対して
あまり効果は期待できません。
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そのため、
認知症や神経難病の改善・予防には
遠回りですが、
幸せホルモン、セロトニンの分泌を促す
発酵食品を摂取し、
「まごわやさしい」を意識して
「慢性炎症」を抑えましょう。
4週間程度続ければ
基礎体温が上がってくるはずです。
毎日
朝起きたら
基礎体温を計っておくと
自律神経の活性化程度や
変化・効果が現れるので
楽しいですよ。
今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
みそしる一押しお願いします。
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