最終更新日: 2021.06.8

認知症の原因は脳の神経細胞が減るからではなく・・・邪魔されるから。

認知症の原因と
オートファジーによる治療についてです。

最も初期におこっている病態は
「ある分子」が蓄積しはじめ、
神経細胞の伝達を邪魔するからです。






認知症の原因

認知症は
以下のいずれかで
おこります。
1神経変性
2脳血管障害性
3その他(炎症、代謝障害、感染症など)

以前は
2が最も多かったのですが、
食事内容の見直しや、
減塩の効果がでて、

現在、
日本全国的に
高血圧、脳梗塞、
脳内出血による
認知症は減っています。

代わりに、
1の神経変性(神経難病ともよばれます)
がもっとも多い原因となっています。

認知症は簡単に言えば
「神経が徐々に働かなくなってくる病気」といえます。
神経はいたるところにあり、
場所、
部位に応じて
機能や役目が違います。

目からの情報を伝える視神経
鼻からの匂いを感知する嗅神経など。

認知に関与する神経

認知機能は主に脳内の海馬と
呼ばれる部分がまず関係します。

場所としては
左右の「こめかみ」部分を
脳の奥に進んだあたりにあります。

ではどうして
この部分だけが
働かなくなるのでしょうか?


実は
この部分だけではないのです。
脳にある神経が全体的に
機能が落ちてきます。

さらにいえば、
脳内だけではなく、
神経の末梢部分
つまり、
内臓や皮膚など
刺激を感知する神経は
程度の差はあれ、
機能が低下してきます。



神経変性の中でも
アルツハイマー病に
次いで
頻度が多いのが
レビー小体型認知症です。

レビー小体型認知症の場合には、
異常が神経の末梢に
早くから出ています。

そのために、
便秘や
消化不良、
発汗障害などが出てきます。

レビー小体型認知症は
パーキンソン病との
鑑別が難しいケースが
多々あります。

というのも
パーキンソン病の長期の方では
認知機能の低下も伴ってくるからです。

もう少し
掘り下げると
パーキンソン病でも
レビー小体型認知症でも
共通した分子が
蓄積してきます。

シヌクレインという
タンパク質です。


シヌクレインとは

本来、
神経細胞内で
分解されるはずのタンパク質です。
それが、
なぜか分解されず、
たまってくる。

特に
シヌクレインは
脳内の神経細胞に多く
たまってくると言われています。

しかし
実は
末梢の方はあまり
観察されていないだけなのです。


最近の研究

最近では
末梢の神経に
より早期から
シヌクレインがたまってきている
との報告が多く出てきました。

つまり、
皮膚生検などをすると

早くにパーキンソン病や
レビー小体型認知症を見つけることが
出来るようになります。

早期診断できれば、
現在すでにある
治療薬をつかって
早期から
治療を開始することができます。


目指している研究

「異常にたまっている分子が、
たまらないように」
という戦略をコツコツと進めています。

しかも
本来、
体が備えている浄化作用(オートファジー)
利用しようとしています。

身体、
脳の浄化作用を
効果的、かつ安全に
高めることができれば

認知症以外にも
様々な疾患に適応できると考えています。

今日は我々の日々取り組んでいる
早期診断と治療開発に関してでした。



先は全く見えませんが
一歩、
一歩進んで行きます。

みんなで一緒に赤ちゃんのような
柔軟な頭・身体を取り戻しましょう。

今日の記事はここまでです。
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