最終更新日: 2020.06.17

ALS治療のイブジラスト / ケタス 最新情報 [2020年]

神経難病のひとつに
筋萎縮性側索硬化症(ALS)があります。

治療薬が
現在、2つしかなく
もちろん
病態を止めることもできません。

ALSの3つ目となる治療薬が
臨床試験の最終段階に進んでいます。
実は
その薬は
コロナ患者さんの肺炎にも
効果がありそうなのです。

難病中の難病といわれる病気とは?

先週(2020年6月)は
ALSの方の剖検がありました。

42歳、男性のかたで
「呼吸がしづらい」と
病院を初受診しておられました。
その8か月後に
亡くなられました。

ALSは10万人あたり
1-2人の比較的まれな病気です。

しかし
発症数に比べて
「剖検」の機会が多い疾患です。

なくなる患者さんが
将来、ALSで苦しむ人がいなくなるようにとの
願いを込めて
積極的に献体してくださるのです。



ALS研究の進歩

美容、生活アドバイザーの
佐伯チズさんも
ALSの経過が早く
2020年6月5日に
亡くなられました。

ALSは
難病中の中の
「特に難病」といわれており
まったく病態がわかりませんでした。

しかし
2006年に、
ALS患者の脳内に
異常に蓄積している分子が同定されたことで
一気に研究が加速しました。

ブレークスルーとなったのが
以下の論文です。

Neumann M, Sampathu DM, Kwong LK, et al:
Ubiquitinated TDP-43
in frontotemporal lobar degeneration and
amyotrophic lateral sclerosis.
Science 2006; 314: 130―133

この論文の発表3カ月前に
サンフランシスコで
国際神経病理学会があり
私も参加していました。

この論文の著者が
発表しているのを聞いていました。

ついに
ALSの研究が大きく前進したな。と
強く感じたのを覚えています。



ALSでは慢性炎症が起きている

その後、
早速、
私たちも異常な分子を解析して
認知症の研究と並行して
ALSの研究を開始しました。

主に
その当時
中国から日本に留学に来ていた
大学院生の方と
一緒に研究を進めました。

そして
「ストレスとALS」の関係を
証明することができました。

また
その後
共同研究として
「ALSの患者さん内では
ストレスにより脂質異常が起きて
炎症が起こっている

ことも証明できました。

確かに
ALSの方では
慢性的に炎症が起こっています。

しかし
人手不足のために
ALSの研究はその後ストップです。

「認知症」の研究に焦点を絞り、
現在に至っています。



ALSにイブジラスト

炎症がALSの病態を抑えるうえでは
カギになると思っています。

実際に、
炎症を抑える薬剤をつかって
ALSに対して
海外第3相臨床試験が
2020年2月から進んでいます。

メディシノバという会社です。

日経新聞

2017年12月に
アメリカでの
イブジラストの治験結果が
よかったため
翌日に、
記事にしました。

「ALSにケタスを処方すればよいのでは・・・」

その後
読者の方から
日本でも
処方してもらうことができました。
と連絡がありました。



コロナにもイブジラストが効くかも

イブジラストは
以前、
ケタスといって「めまい」に対して
適応した薬なのです。

日本では
イブジラストは
ALSには適応ではありません。

医師が他国の
臨床試験結果をみて
処方してくれたのでしょう。

驚くことに
イブジラストは
コロナによる肺炎の患者さんにも
効果があるようです。

2020年6月に
米イェール大とメディシノバは共同で
COVID-19による
急性呼吸不全(ARDS)を対象に
臨床試験を始めました。

今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

次世代には
神経難病で苦労する人や
介護する人を少なくしたい。

「研究」と並行して
このブログでコツコツと活動をしています。

仲間や同士が集まり、
未知のことが
いろいろ分かってくると思います。

そして
「将来、神経難病は治る病気」になると
思います。

みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


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