「免疫」は腸内環境に
大きく左右されます。
これは
以前から
経験的に知られていました。
お腹が痛いと
なにもやる気が起きません。
すると
抗体の産生能力も落ちます。
実験レベルでは
ばい菌を認識できないネズミでは
ガン免疫が十分育たず
ガンを身体から排除することができません。
さらに
腸内細菌は行動や心にも
影響を及ぼしています。
どうやって?
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免疫系が弱まると抗がん作用も発揮できない
免疫系に不全があると
抗がん作用をうまく発揮できずに
ガンの増殖を許してしまいます。
Nat Med. 2007 (9):1050-9.
Toll-like receptor 4-dependent contribution
of the immune system
to anticancer chemotherapy and radiotherapy.
フランスからの報告です。
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ガンのできやすい場所は外部環境に接している臓器
腸や肺、皮膚で
ヒトの免疫系は
常に働いています。
腸は
外部環境や異物と
接する機会が最も多い臓器です。
また
肺がん
食道がん
胃がん
大腸がんなどガンは
外部の環境と接する場所に
比較的できやすい傾向があります。
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「腸」は
免疫系の「かなめ」である
と同時に
ガンを認識、排除する
大切な役割も担っています。
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腸が心や行動も決めている
ここ数年で
腸の研究はグングンと進んでいます。
解析技術の進歩が大きく寄与しています。
なにしろ
身体を構成する細胞よりも
多くの細胞(細菌)が
腸には住んでいますから
データを解析するだけでも大変です。
ハエの研究ですが、
腸内細菌をいじると
行動が変化するという
面白い報告が2018年に12月にありました。
ヒトでも
同様のメカニズムが
きっとあるだろうと
著者は推測しています。
人間の場合には
腸内細菌の出す物質が
ノルアドレナリン
(ノルエピネフリン)の発現を調節して
交感神経経由で
行動やこころ、神経系に
影響を及ぼすであろうということです。
Nature. 2018;563(7731):402-406.
doi: 10.1038/s41586-018-0634-9.
A gut microbial factor modulates
locomotor behaviour in Drosophila.
腸内細菌による行動への影響(ハエをつかった研究より)
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私は
もっと
腸内細菌と
神経系の関連性の知識を深めるために
研究会に参加します。
『腸内細菌と健康
― 消化管を起点とした宿主の恒常性維持―』
日時 2019年6月18日(火)・19日(水)
会場 タワーホール船堀
社会も
腸内環境をもっと広く知ってもらおうと
動いています。
2019年4月17日に
武田薬品工業株式会社が
健康をテーマにシアターを
オープンしました。
(表紙画像)
日経ナショナルジオグラフィック社と
協力しています。
第一回は
腸の改善方法や
腸内細菌の役割がテーマです。
約15分ぐらいの映像らしいです。
腸の不思議、
健康的な人にだけいる腸内細菌
などを紹介しているそうです。
見てみたい。
腸を意識すると
こころも身体もイキイキします。
そのためにも
「腸の多様性」をもたらすことです。