最終更新日: 2019.04.14

宇宙にいくと葉酸が1.8倍にアップ. [赤ちゃんの発育と関係]

340日間を宇宙で過ごした
アメリカ宇宙飛行士の
スコット・ケリー氏(右)と、
地球にとどまった
マーク・ケリー氏(左)。

二人は双子でマーク氏も元宇宙飛行士。

双子ということは
年齢(50歳)はもちろん
持っている遺伝子も同じです。

宇宙で
ヒトの身体は
どんな変化をするのでしょうか?

認知機能の項目にも影響がありました。



研究結果は
2019年のサイエンス誌に載っています。

The NASA Twins Study: A multidimensional analysis of a year-long human spaceflight
Science 2019:
Vol. 364, Issue 6436, eaau8650



腸内細菌は多様性を保てるか?

腸内環境への影響は大きいと予想されていました。

実際のところ
どうだった?

宇宙でも
腸内細菌の多様性は
変化していません
でした。

ただ
血清中、尿中の
「酪酸」が
宇宙にいくと
有意に増えていました

酪酸とは
ビフィズス菌などが作り出すことも知られています。

特に宇宙に行った
最初の15日間と
最後の14日間に変化が顕著でした。

この酪酸の変化は
エネルギーを作る際の
有酸素のエネルギー代謝なのか
無酸素での代謝なのかの違いです。

このエネルギーを作る代謝に
関連して
その代謝関連酵素の遺伝子量が変化していました。

酪酸の増加は
無酸素状態
もしくは
低酸素状態で起こる変化です



免疫系は宇宙に行っても働くの?

インフルエンザワクチンを
スコットもマークも受けました。

その結果
免疫系は
宇宙にいても
地球にいても
抗体を作ることができ、
変化ありませんでした。



認知機能は宇宙に行くと良くなる?

認知症のテストは
宇宙に行く前と
宇宙にいる間と
地球に帰還した後
合計3回行われました。

その結果
ほとんどは変化なしでしたが
認知機能の「速さ」と「正確さ」の項目が
地球に帰還した後で
劣っていた
と言うことです。
ただ
半年後には元に戻っています。



宇宙での血液・生理学的変化は?

ビタミンBの1つ
「葉酸」が
宇宙に行くと約1.8倍に上がりました

この意味はよくまだわかっていません。

葉酸は
妊婦さんにとって大切です。

赤ちゃんの発育のときには
多めに取るように国は勧めています。
つまり
葉酸は
発達や
細胞の分裂や増殖に必要な栄養素です。



宇宙にいった後の身体への影響は?

地球にいたマーク氏を基準に比較すると
宇宙にいくと
頸動脈壁の厚みが増すという結果でした。
これは
以前にも観察されていた結果です。

血管壁の肥厚は
血管内腔を細くしてしまうので
血圧の上昇につながります。

無重力状態では
筋肉に負荷がかかりません。
ここからは
私の考えですが、
身体が
全身に血流を送るために
血管内腔を細くした
のではないかと思います。

あとは
宇宙にいくと
体重減少があります。



まとめとして

宇宙にいくと浦島太郎のようになってしまう

一般的に
老化するほど短くなるテロメアの
長さが
宇宙にいくと
伸びたということです。

ただし
地球に帰還して
半年の間に
一気に短くなり
地球にいたマーク氏と
同じ長さに戻ったということです。

浦島太郎状態ですね。

玉手箱を開けたとたん
お爺さんになった感じです。

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