最終更新日: 2020.09.6

認知症の進行を止める3つの方針を真剣に考えた.

認知症の治療法についてです。

特にアルツハイマー病です。
現在日本では
4つの薬剤が承認されています。

さらに
アミロイドβを標的とした
抗体やワクチン療法が
世界中で進んでいます。

しかし
2015年、2016年と
抗体やワクチン療法が
ことごとく失敗に終わりました。

さらに
2019年3月には
もっとも有力視されていた
アデュカヌマブも最終の臨床試験が
中止となりました。

数年は効果的なアルツハイマー病治療薬はでない。

アミロイドβは減っても、
認知機能の改善が
認められないのでしょう。



近い将来の認知症(アルツハイマー病)治療を真剣に考えた

これらの結果を受けて
アルツハイマー病治療は
大きく3つの方向に向かうと思います。

1 対象者を絞る。

せっかくお金をかけて治験をしてきたので
治療薬はそのままで
対象者を変えてさらに続ける

(ステージの軽い人や
危険遺伝子のない人だけに絞る)

同じ症状でも
原因が全く違う場合があります。

たとえば
筋萎縮性側索硬化症(ALS)では
2006年に
原因遺伝子が同定されました。

TDP-43 です。
その後
FUSも原因遺伝子として同定されました。

まだまだ
原因遺伝子や
危険遺伝子があると思います。

以前から
ALSの原因遺伝子といわれていた
SOD1は意外と
少ないのではないかといわれています。

このように
原因が全く違うALSというグループに対して
1つの薬剤で対応しても
効果は
違ってきます。

結果的に
統計的な有意差がなくなり
薬剤は承認されません。

アルツハイマー病でも
同じ症状でも
原因が違う可能性は十分にあり得ます。

ということで
さらに
グループ分けをする方向に向かうはずです。



2 標的を変える。

アミロイドβではなく、
その前駆体のオリゴマーを標的とする

たとえば
カナダのプロミス
ニューロサイエンス株式会社が発表した
PMN310モノクローナル抗体はこれに当たります。

ただし
アミロイドベータのオリゴマーであっても
アルツハイマー病の原因ではなく
結果として
溜まっているだけかもしれません。

そのため
まったく違う標的分子が必要です。



3 アプローチを変える

微弱な電気を頭にかける。
iPS細胞移植や遺伝子治療。

さらにここ最近記事にした
慢性炎症を抑える手法は
これに当たります。

慢性炎症が神経難病の素地を救っている

実は
私たちのラボで目指しているのも
3つ目にあたります。






身体の自己治癒力の可能性にかける

特に
身体に備わっている自己治癒力を生かす!

脳の代謝をアップできれば
認知症も治るはずです。

脳内オートファジーを活性するのです。

そんなことできるん?

手作り納豆と同じで
やってみんとわからんやん。

今月
2019年4月に
新しい論文を出しました。

(まだオンライン上には載ってないため
ページが確定次第
リンクします。)

これまでの
トレハロースによる
「脳内オートファジーのアップ」を
さらに
たかめるために、
「運動とトレハロース」を組み合わせたのです。

大学院生の方が
コツコツと3年かけて
研究を進めてくれました。

続く



みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


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