最終更新日: 2021.08.1

パレイドリアテストを試したい方へ

パレイドリアとは
日常見慣れているものや風景が
顔に見えてくる生理現象です。

一方、
幻視とは
まったくないものや
見えないものが
見えてくる
生理現象です。

パレイドリアや幻視の頻度が
高いとレビー小体型認知症の可能性があります。



レビー小体型認知症とは

アルツハイマー病と並び
認知症を引き起こす神経難病です。

レビー小体型認知症(Lewy body dementia)の
正確な原因は
残念ながら
まだわかっていません。

しかし
研究は日々進んでいます。
また
診断技術も上がってきています。

レビー小体型認知症で
亡くなった患者さんの脳内には
必ずある異常な構造物が認められます、
レビー小体です。
(表紙画像茶色いもの)

レビー小体自体は
小さな構造物ですが、
この構造物を突破口に
病態解明が
大きく発展しています。



レビー小体型認知症の病態

これまでに
わかっている事実として
大きく3つあります。

1 レビー小体は何からできているの?

レビー小体の蓄積が
主にシヌクレインという
タンパク質でできていること。

2 レビー小体は神経とどう関係するの?

その蓄積が
脳の特定の神経細胞消失と相関すること。

3 レビー小体は症状とどう関係するの?
主に2つの神経伝達物質の減少と比例すること。
アセチルコリンと
ドーパミンです。

アセチルコリンは
記憶や学習に重要な神経伝達物質です。

アルツハイマー病でも
アセチルコリンが減少することが知られています。

一方、
ドーパミンは、行動、認知、運動、やる気、睡眠、
および気分などに重要な役割を果たします。

ドーパミンはパーキンソン病でも
減少することが知られています。

ちなみに
パーキンソン病と
レビー小体型認知症は
病態としてはかなり近く、
まとめて
レビー小体病とも呼ばれます。

この2つの神経伝達物質
アセチルコリンと
ドーパミンが
減少するにつれて
上記の行動や気持ちが
変化していきます。

記憶が衰えてきたり
やる気がなくなったり
睡眠障害がでてきたりします。



レビー小体型認知症とアルツハイマー病との関係

さらに
レビー小体型認知症は
長期になると
アルツハイマー病の人々に見られる
老人斑などの変化を
合併する確率が高くなります。

これは
シヌクレインタンパク質が
老人斑のアミロイドベータタンパク質
神経原線維変化のタウタンパク質
凝集させやすくするからだと
考えられています。



パレイドリアをつかった
レビー小体型認知症の診断

少しお待ちください。

レビー小体型認知症かな?
という方に簡易なテストがあります。

上述したように
幻視やパレイドリアが
約40%のレビー小体型認知症には
認められると報告されています。

そこで
この症状をつかった
簡易なテストが開発されています。
パレイドリアテスト
または
ノイズパレイドリアテストと呼ばれています。

ここで紹介するテストは
パレイドリアがどの程度おこるかという
テストです。
正式なものではありません。
イギリスのlenstoreという会社が
開発したあくまでも
簡易テストです。

注意する点として
健常者でも
幻視やパレイドリアはあります。
境界線があいまいなのです。

約2000人が10枚の画像をみて
どの程度の人が
顔に見えたかを示してくれます。
making face test

ちなみにわたしは
結果で
85%の人よりも
多くパレイドリアを起こしやすいということでした。

あれっ、
ということは
やけに
パレイドリアを起こしやすい。
(;一_一)



医学的なパレイドリアテスト

ノイズパレイドリアテストと
呼ばれています。

まずは
以下の三枚の画像をじっと
見つめてください。

 

 

 

 

いいですか?

 

1番左側(A)は
ほぼ全ての人が
徐々に顔がみえてきます。

真ん中の画像(B)では
ほとんどの人が
「顔みたいなもの」が見えてきます。

1番右(C)では
ほとんどの人は顔を認識できませんが
パレイドリアの強い人は顔を認識できます

つまり
1番右の画像で
顔が見える人はパレイドリアがあり
レヴィー小体型認知症の可能性があります。



パレイドリアテストの注意点

あくまでも
簡易なテストとして
ご利用ください。

繰り返しですが、
顔が見えたからといって
病気ではありません。

もし
これらのテストで
顔が見える確率が高く
さらに
上述した症状、
記憶が不確かなことが多い
やる気が起きない
睡眠障害など
が認められる場合には
医療機関へ行くことも視野に入れてください。

レビー小体型認知症の
確定診断には
病院での
心筋シンチグラフィーや
DATスペクトを併用して
より正確に診断する必要があります。

仮に
レビー小体型認知症だと診断されれば
早期に治療を始めた方が
予後は良いです。



パレイドリアテストで顔が見える方へ

注意点として
医療機関は必ず
「神経内科」を受診してください。

めまいや
ふらつき、
便秘などの症状だけで
一般内科、
眼科、
精神科
心療内科を受診すると
「レビー小体型認知症」を診断する
知識、経験が少ない可能性があり
誤診される危険があります。

レビー小体型認知症以外の疾患に関しては
この限りではありません。

よろしくお願いします。



今日も最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

次世代には
認知症で苦労する人や
介護する人を少なくしたい。

「あなたから認知症予防を」をスローガンに
「研究」と同時にこのブログでコツコツと活動をしています。

今日もありがとうございました。
みそしるが出ていれば
一押しお願いします。


人気ブログランキング

2018年5月
« 4月   6月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

今月のピックアップ

PAGE TOP