シンク理論で認知症が改善. 脳のゴミを追い出す3つのルート


文章の一部を2017年9月23日に変更しました。
この記事は2017年5月18日に更新されました。
現在世界中で進められている
認知症(アルツハイマー病)に対する
治療方法は
たった一つの仮説に基づいています。


アミロイドβが
アルツハイマー病を起こしている

という仮説です。

この写真は
アルツハイマー病の方の脳内です。
茶色のシミ(老人斑)みたいなものが
アルツハイマー病の方の脳内では
たくさんたまっています。

この老人斑の構成成分である
アミロイドβが脳を
傷害していると考えられており
「アミロイドβ仮説」と
いわれています。

2017年5月17日放送のためしてガッテンでは
シンク理論を通して
30分以内の昼寝が
認知症の発症率を
5分の1に減らすそうです。






アミロイドβを
減らせば認知機能が
良くなるというわけです。

実際に
アミロイドβに対する免疫療法は
老人斑の蓄積を減らしました。
認知機能の改善も認められます。

免疫療法とは
アミロイドβの抗体を
体内に入れることにより免疫系を利用して
アミロイドβを除去する方法です。

もっとも期待されているのが
「アデュカヌマブ」で
現在、世界中で2700人を対象に
臨床試験が行われています。

認知症の治療薬の最有力候補
アデュカヌマブ

しかし
ここで一つ問題があります。

実際にアミロイドβは減少し
老人斑も減少するのですが
そのメカニズム がよくわからないのです。

可能性として3つあります。
シンク理論はその1つです。
順にみていきましょう。



酵素による分解

アミロイドβは酵素により分解されます。
インシュリン分解酵素やネプリライシンなど
複数の酵素が知られています。

細胞による分解

細胞による貪食です。
ミクログリアと呼ばれる細胞が
アミロイドβを
バクバクと食べることで
アミロイドβの量が減ります。

血液脳関門からの排出

アミロイドβを
脳の外へ追い出してしまう方法です。

「シンク理論」または
「末梢シンク仮説」と呼ばれます。

脳には外から
異物が入ってこないよう
血管と脳とを隔てる
頑丈なバリア(関門)があります。

「血液脳関門」と呼ばれます。

写真は脳の中です。
茶色い細胞が細い血管を覆っています。

脳の血管を
グルリと頑丈に覆うことで
異物が脳内へ入ってこないように
なっています。
(表紙画像の緑色の矢印)

しかし
この関門をとおれる
タンパク質があります。

専用の(選択的な)出口があるのです。

アミロイドβは
この出口を通って
血液中へと排出されます。

この出口には
3種類あるのですが、
その1種類は
アルツハイマー病の発症率を上げる
「リスクファクター」だと
以前から言われていました。

アポリポプロテインE
略してApoEと呼ばれるます。

こちらの記事で
わかりやすく説明したつもりです。
脂質と認知症は密接に関連しています。

このApoEの中には
2,3,4があります。

特に4番をもっている方は
通常のアルツハイマー病発症率の
約10倍
発症しやすいと言われています。

Apo4は
Apo2やApo3と比べて
アミロイドβを
脳の外に排出する機能が弱いのです。
そのため、
アミロイドβが蓄積し
老人斑が形成され、
早くに認知機能が障害されると
考えられています。



以上
脳内のアミロイドβが減少する
3つのルートでした。

アミロイドβの抗体を
体内に入れることにより
脳内には入れた抗体量の
1%程度しか移行しない
ことがわかっています。

血液脳関門があるからです。

しかし
抗体が
脳へ移行しなくても
血液中のアミロイドβと結合して
血液中のアミロイドβ量が減ります。

すると
脳の中と血液中との
アミロイドΒが
バランス(平衡)を保とうとします。

つまり
血液中の減ったアミロイドβを
補うために
脳内のアミロイドβが
脳から血管内へと
流れ込みます。

結果的に
脳内のアミロイドβ量が減少すると
考えられています。

今日の記事はここまで。

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